それいけ!ファンゴ君(2)

ボクは、偉大なるドスファンゴになる事を夢見て一人旅をしている。
まだこの沼地を抜けられそうにない。
意外と広いんだな。
ふと目の前にひっくり返ったまま死んでいるカンタロスがいた。
よし、動物性蛋白質だ。
むしゃむしゃ・・・。
ペペッ!
うげーっ、ゲロマズーーっ!!
いくら雑食性とはいえ、たまには動物性蛋白質も必要だから我慢して半分ぐらい食ってやった。
すると、向こうからブルファンゴの群れがやってきた。
ちっ、どいつもこいつも群れやがって。
やれ縄張りがどーのと因縁を付けらるのも面倒なので、ボクは茂みに隠れ、やつらが通り過ぎるのを待つことにした。
すると何やら群れの中で誰が一番強いか決めようという事になったようだ。
バカバカしい。
たかが、ブルファンゴの分際で。
1対1ずつのトーナメント方式で、優勝者を決めるらしい。
そして、試合はすぐに始まった。
ボクは近くに生えているキノコを食べながら観戦することにした。
1戦、また1戦と見ている内にボクは気付いてしまった。
コイツらは、ただ相手に向かって突進しているだけだった。
お互いにぶつかり合い、倒れたら負けだった。
コイツら、バカだwwwwwww
避けることを知らないのか?
だから猪突猛進とか言われんだよ。
おまいら、カスファン認定な。
ボクなら、相手の突進を横ステップで華麗に避けて、後ろ足を軸に180度格好良くターンし、相手のケツに向かって超猛烈突進してやるね。
うん、ボクのこの完璧な脳内シミュに死角は無い(キリッ
ボクが参戦したら、優勝してしまうんじゃないだろうか?
と考えている内にまたお腹がゴロゴロしてきた。
ふと、今ボクが食べているキノコを見た。
マジかよっ!!
昨日、お腹壊した時のキノコじゃないかっ!
観戦しながら近くにあるキノコを手当たり次第モグモグしてたから、気付かなかった。
イテテテテテテッ・・・
げどく草、げどく草・・・
ボクの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。