それいけ!ファンゴ君(3)

ボクは、偉大なるドスファンゴになる事を夢見て、一人旅をしている。
げどく草を求めて沼地を彷徨っていると、ちょっと可愛い一匹の雌ファンゴに出会った。
ボクらは目が合った瞬間、恋に落ちた。
そう、ボクらには言葉など必要無かった。
しかし、ボクのとある野望がその恋を一瞬で終わらせた。
ボクの長く険しい道のりに、一匹の雌の為に一分でも無駄にできる時間は無かったのだった。
ボクは涙を呑んで、その場を立ち去ることにした。
許せ、ファン子ちゃん。
その内、ボクには劣るだろうが、やや素敵なファンゴに出会える未来がやって来るだろう。
ボクは、名残惜しそうに見つめるファン子ちゃんを無言で通り過ぎた。
まだ背中に熱い視線を感じる・・・。
・・・そうだ!
とっておきのスマイルを、君とのこの淡い恋の思い出に置いていってやろう。
ボクは爽やかな笑顔とともに振り向いた。
・・・って、おいっ!
ボクを見ていたファン子ちゃんのそばに、イカツイ雄ファンゴがやってきた。
なんだよっっ!
彼氏持ちかよっ!!
思わせぶりな態度すんなっ、このブスファンがっ!!!
雌「なんか、さっき変なファンゴ見たぁ~」
雄「あ゛?何かされたのか?」
雌「ううん、何か弱そうなファンゴだったぁ~」
雄「そうか、何かあったらすぐ言えよ」
雌「うんっ♪」
ちっ、どいつもこいつも色気づきやがって、このksg。
バーカ、ブース、タヒねっ!
ボクが立派なドスファンゴになったあかつきには、おまえなんかよりナイスバディで聡明美猪な嫁を迎えてやるさ。
ボクの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。