それいけ!ファンゴ君 シーズン4 (36)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、二匹旅をしている。
虫夫婦に立ち向かうべく、ボクらは作戦を決行した。
勇気を振り絞ったリノッチは、地べたに降り立ったゲネゲネに向かって突撃をし、その顔面へ強烈な頭突きをお見舞いした。
一瞬怯んだゲネゲネだったが、その次の瞬間、リノッチは素早く真横へと避けた。
そして、そのすぐ背後からボクが奇襲をかける。
「とぉーーーーぅっ!!」
ボクの全体重を乗せた重く堅い両前脚の蹄が、ゲネゲネの顔面を更に直撃した。
名付けて「リノッチの後ろにはボクがいるっ!」大作戦だっ!
一瞬で二段攻撃を食らったゲネゲネは、フラフラとよろめきながらもアルアルを呼び寄せると、そのアルアルを捻じ伏せてその身体に顔を押し付けた。
そして、何やらモゾモゾとその顎を動かしていた。
・・・おわかりいただけただろうか?
なんとっ!ゲネゲネは、アルアルをムシャムシャと食べていたっ!
なんという悪妻っぷり?!
これは良い子のみんなには見せられない、スプラッターホラーさながらの光景だ。
「おえっぷ・・・アイツ、なんて事しやがんだ!ったく、シュールじゃねぇ女だぜっ」
「うぇ~、いくらこのボクでもアレはちょっと・・・」
ボクらは、ゲネゲネが回復する心配もよそに、そのおぞましい光景から早く離れるべく、そのエリアを早々に脱出した。
「いやー、参った参った、勘弁してくれよ」
「本当さ、当分、虫には会いたくないよっ。さっきのを思い出してしまうからねっ」
肉体よりも精神的にバテていたボクに、空中から魔の手が近寄ってくるのを、その時のボクは気付いていなかった。
ヒョイっ!
あれ?
幻覚・・・かな?
体がフワフワと軽くなって、地面が段々遠くに見えていく・・・。
「おいっ!ファンゴーーーーーーーーっ!!」
あれ?
リノッチが段々と米粒のように小さくなっていく・・・。
ボクは天を見上げた。
・・・え?
その瞬間、ボクは現状を把握した。
一匹のガブラスがボクを持ちあげて飛んでいたのだった。
「たつけてなう・・・Ver2.0」
テッテレ~♪
リノプロスと別れた!
ボクらの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。