それいけ!ファンゴ君 シーズン4 (17)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、二匹旅をしている。
シャカ2からの追撃を二手に分かれて回避しようとした結果、ボクが囮役となってしまった。
いくらボクの足が早いとはいえ、シャカ2とは歩幅が全く違う。
絶対に止まってはいけない湿地帯。
ボクは、がむしゃらにバシャバシャと水音を立てながら、湿地帯を駆け抜けた。
あと少し・・・というところで、ボクはシャカ2に追い付かれるよりも先に、元いたエリアへと戻ることができた。
もしも、シャカ2が最初から迷うことなくボクを狙っていたら、ボクは今頃、あの鋭い牙の餌食になっていたかもしれまい。
はぁはぁ・・・ぐじょぅ~っ!
ゲネりんは、とんだ香具師だっ!
合流したら文句の一つぐらい言ってやらないと、ボクの気がおさまらいぞ!
ブツブツと小言を言いながらもボクは、ゲネリンの言っていた通りに道を進み、隣りのエリアへ通じる道を見付けた。
そこを抜けると、悠悠と立っているゲネりんの姿がそこにあった。
「やあ、やっと来たね」
やあ!じゃねぇよ、bkgっ!!
「ゲネりん・・・もしかしてさ、ボクを囮にしなかった?」
「囮になんてするハズがないさ!だって仲間だろ?仲間を囮に使うなんて常識外れもいいところだよっ!!」
「いや・・・だって・・・ゲネりんが逃げた方角より、ボクの方が三倍も距離があったし・・・」
「そうか・・・僕が考えた作戦は、君に誤解を生ませてしまったようだね」
え?
「僕と君の足の早さを考えた時、断然、君の方が早いのは事実だ。お互いの時速と逃げられる距離を計算した結果、あの方法がベストだったと今でも思ってるよ。戦闘時は、いかにしてリスクを減らすか、いかにして生存率を高めるか・・・というのが定石だと思うんだ」
ふむふむ、確かに・・・なんて最適解な戦略っ!
そんなふうに考えていた時期がボクにもありました。
それを・・・ゲネりんを疑ってしまってボクは恥ずかしいれす。
「ごめんよ、そうだよね、うん、ま、その作戦のおかげでこうしてお互いに無事で合流できたんだもんねっ」
「そうさっ!こう見えても実は僕って仲間思いなんだよ?」
仲間っ?!
ジィィーーーーンっ!!
「最近は、仲間と思える仲間がいなかったから・・・初めて仲間らしい仲間に巡り合えて、僕は今最高潮だよっ」
仲間・・・ナカマ・・・なかまっ♪
なんて心地よい響きなのかしら。
ボクの事を仲間と認めてくれたゲネりんは、素敵ngですの。
肉食と草食の壁を越えて紡がれる禁断の絆!!
「・・・ん?・・・なんかあっちの方から嫌な気配がするな」
え?どっち?
「な、何っ?何かいるのっ?」
「・・・前にもあったこの感じ・・・いや、気のせいかな・・・でも、これは・・・」
隣りのエリアを見ながら、ゲネりんは緊張した表情を崩さない。
いったいそこに何がいるのか、ボクにも緊張が感染したようだ。
「い、行ってみよう・・・か?」
「・・・もし、アイツだったら・・・気を引き締めていかないと!」
アイツ?
そこに待ち受けている者は、いったいどんなモンスターなのか?
ボクのハートは、好奇心と緊張で満たされていた。
ボクらの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。