それいけ!ファンゴ君 シーズン4 (3)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、二匹旅をしている。
クン玉との一時の戯れをたしなんだボクらは、傾斜や段差が激しく、岩でできてるのか途中が欠けている橋のようなものがある場所へとやってきた。
「さぁー、頑張って王子様を探すわよぉーっ!」
ケル嬢の目は赤く血走り、ギラギラとまさに獲物を探す捕食者のような顔付きになっている。
メンタル面ではやや難ありだが、あれですか?キレたら怖い系ですか?
なんて恐ろしい子っ!
ブーーーン・・・キチキチキチ・・・。
何やら嫌な悪寒のする音が上空から聞こえてきた。
空を見上げると、そこにはとてつもない大きさの虫が羽ばたいていた。
「あっ!あれはアルセルタスっていう徹甲虫よぉーっ!お尻からイケナイ汁を噴射してくるから気を付けてぇー!」
えっ?えっ?イケナイ汁って・・・。
すると、低空飛行でわざとボクらの頭上をかすめ飛んでは、ボクらをからかっているかのように見えた。
くっそ、たかが虫の分際でっ!
ホバリングしながらアルアルは、ボクら目掛けてお腹をブルブルと振るわせ、イケナイ汁を噴射してきた。
くっそ、空中ダイナミックマーキングかっ?!
ボクらはケルビ&ファンゴステッポで、軽やかにその汁攻撃を避けた。
なめくさりおって。
しかしながら、相手はボクが一番苦手とする空中戦を仕掛けてくる。
どうにかうまいこと、地上戦に持っていけないかな?
ピッキーーンっ!!
ボクはある作戦を思いつき、ケル嬢へヒソヒソと耳打ちをした。
「あなたって・・・やればできる子なのねぇー」
よし、これで勝つるっ!
ボクはホバリング中のアルアルの真下を目掛けて、ソフト突進をかました。
もう少しでアルアルの真下という所で、ボクはつまづいて華麗に転んだ。
「イテテテテテっ!」
その隙を狙ってアルアルは、モゴモゴしているボクを目掛けて降り立ってきた。
「ニヨっ)今だっ!」
その合図で、ケル嬢は素早くアルアルへ近付き、後ろ向きになって後ろ足でアルアルを勢いよく蹴とばした。
「えーーーいぃっ!!」
ケル嬢のか細くも力強い一蹴りが、アルアルの腹の柔らかい所へと命中した。
背後から突然の急襲により、アルアルはヨロヨロとよろめきながら、どこかへと飛び去って行った。
「やったな!名付けて”転んだフリ作戦α”が功を成したぞっ!!」
ボクってまさしく天才のそれに近いなww
「やだぁー、蹄にイケナイ汁が付いちゃったじゃなぁーいっ!これじゃぁ、王子様に逃げられちゃうぅーっ!!」
ケル嬢は、その辺の草むらで力強く地団駄を踏むように、蹄の汚れた汁を落とした。
確かにあれで蹴られたら、昇天しそうな勢いだなw
アルアル、南無さんww
ボクらの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。