それいけ!ファンゴ君 シーズン4 (4)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、二匹旅をしている。
ボクの考えた最強の作戦により、アルアルを撃破したボクらは、ツタが網状になって下を見下ろせるエリアへとやってきた。
なんだ、ここはっ?
「ここ、網網だから足を踏み外さないようにねぇー」
ケル嬢は慣れた足付きで、軽々とそのアミアミの上を歩いた。
ボクだって・・・ズボっ・・・ズボボっ・・・。
おいっ!めっさ歩きにくいぞこれっ?!
すると、少し離れた場所のアミアミにオレンジ色の小さい何かが見えた。
なんだ?アレ・・・。
不慣れな足付きでソレに近付くと、アミアミにぶら下がりながら眠っているオレンジ色の猿の手だったようだ。
「あっ、ケチャワチャだわぁー、何もしなければ大丈夫よぉー」
へぇー、ケチャ猿か・・・ズボっ・・・。
言っているそばから、ボクがアミアミを踏み外した振動で、眠れるケチャ猿が目を覚ましてしまった。
あぁ、起こしてしまったかい?サーセンw
驚いたケチャ猿は、大きく空いた穴からムササビのようにアミアミの上へと飛んできた。
うほっ?!
ムチャワチャかっ?!
・・・ズボっ・・・くっそww
ムチャワチャは、ボクがこのアミアミを歩くのが下手だと分かると、わざとこのアミアミを揺らしてボクのバランスを崩そうとした。
激しく網を揺らすせいで、ボクは仰向けの状態に転び、まるでゴムまりのようにポーンポーンと宙に弾け飛んだ。
おいっ・・・ポーン・・・やめろっ・・・ポーン・・・。
こっ、こいつ・・・。
「ちょっとぉー!」
おっ、やっとケル嬢のお助けがきたかっ。
そのとてつもなく堅い蹄で、キャツを蹴とばしておやりなさいっ!
「ちょっとぉー、何遊んでんのよぉー!ところで、ケチャワチャぁー、この辺で私の王子様見掛けなかったぁー?」
えーと・・・叱られたのはボクれすか?
「王子様って、どんな王子様?」
「うんとぉー、カッコよくってぇー、優しくてぇー、私だけを見ていてくれる王子様よぉー♪」
「その王子様かどうか分かんないけど、あっちに何頭かいたよ?」
「ほんとぉー?ありがとぉーっ♪」
どうやら話は付いたようだった。
おかげで、ボクも揺れ止まったか。
・・・うっぷ・・・ボクの臓物がまだグルグル回ってる希ガス・・・。
「さぁ、張り切ってあっちのエリアに行くわよぉーっ!」
ボクらの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。