それいけ!ファンゴ君G (38)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、一匹旅をしている。
地獄の試練を受ける為、この地を離れる手段が必要だと考えたボクは、物知り一族のアイルーがいる場所へと向かう事にした。
先日ガー子に案内された隠れ家の場所に行けば、アイルー達がいたはずだ。
ボクは再び、隠れ家へと向かった。
「あのさ、ちょっと聞きたいんだけど・・・」
「何かニャ?」
「この大陸から離れる手段って何かあるかな?」
「う~ん・・・船があるニャ」
ここに来る時に乗って来た、あの空飛ぶ船か?
「船は船でも、砂の海の大砂漠を進む撃龍船なんだニャ」
砂・・・の海?
アメージングっ!
なんという技術躍進っ!
空を飛ばせるだけでなく、砂の海をも突き進ませるその開発力!
ハンター達、なかなかどうしてやるじゃまいかっ。
「それって、どこから乗れるのかな?」
「う~ん・・・そこまでは分からニャいけど、船だからタンジアの港に行けば分かるんじゃないかニャ?」
「そっか!トンクスっ!!」
タンジアの港・・・。
そう、ボクが探査船からこの地に降り立った所だ。
あそこまで戻るのは正直シンドイが、それしか手立てが無いというのなら、仕方あるまい。
あっ、ガー子に挨拶でもしてくるか。
ボクはこの渓流を旅立つ前に、ガー子を探した。
「ガー子っ!短い間だったけど、トンクスなっ!あちこち卵を落とすなよっww」
ガー子は、ジンオウガの前で一匹逃げたのを申し訳無いと思っていたのか、羽毛の中からキノコを取出すと、それをボクに手渡した。
これって・・・。
「厳選キノコだよ~ん」
一体、君はいつからこれが厳選キノコだと思っていたのか?
ガー子から渡されたキノコは、紛れもないただのアオキノコだ。
しかも、羽毛で温められたせいか、ソレはとても生暖かかった。
「またここに来たら、遊んであげるんだよ~ん」
「今度は勝手に逃げるなよっ!ww」
「バイバイだよ~ん」
ボクは、ガー子に別れの挨拶をすると、この渓流を出発した。
ボクの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。