試されし道 ◇結の頃◇

兄は家に戻ると、琥珀色のハイチェストの上に大切に飾られている双剣に向かった。
「マリー、もうすぐアイツがお前の所へ行くよ。ちょっと癖があるけど…根はいいヤツだから宜しく頼むよ」
剣の矛先に大きく口を開けた向日葵のような装飾が付いているその双剣は、妹の愛剣クックカッターだった。
兄はその双剣をしばらく見つめ、クックの顔に触れようとした時、遠い日の妹の笑顔が重なった。
「お兄ちゃん、今日は何を狩りに行こっか?」