それいけ!ファンゴ君G (21)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、二匹旅をしている。
ボクは、背中に不安要素である小さな塊を乗せながら、この洞窟を出ることにした。
さっき見たオバケのようなモンスターがこのギギ坊のママなら、ソイツを探し出すまでギギ坊はボクから離れてくれないだろう。
真の意味で背筋をゾクゾクさせながら、ボクはギギ坊のママ探しを始めた。
同じ洞窟でも、さっきの洞窟より日差しが差し込んでいるせいか、かなり明るい場所へとやってきた。
確かこっちの方角だと思ったんだけど・・・。
ボクは天井も確認したが、そこにはギギ坊のママはいなかった。
しばらく進むと背後から、ランポスよりも凶悪そうな顔をした、青っぽくて、黒いチョビ背毛のあるモンスターが3匹と、そのボスであろう真っ黒なトサカをした大きめのモンスターが現れた。
おぃおぃ、ここでもあんなヤツラがいるのか。
雑魚だけならまだしも、ボスまでいるとは、かなり厄介だぞっ!
「おいっ、貴様っ!目障りなアイツらを蹴散らせっ!!」
・・・簡単に言うねぇ~。
「じゃぁ、君も手伝ってくれよっ!」
「貴様、バカじゃないのかっ?どうして俺様が無益な殺生をしなきゃならないんだっ?!少し考えろっ!貴様の脳みそは空洞か?」
どの口が言うっ?
お前なんて、頭のほとんどが口だけで、脳みそゴマ粒程度なんじゃないのか?ww
そうこうしていると、敵のボスが雑魚達へ何かを指示している。
「バギィAは10時の方角、バギィBは14時の方角、バギィCは私の援護を頼むっ!」
「っサー!」
「っサー!」
「っサー!」
なんという統率力っ!
ボスの指示通りに、無駄の無い動きで雑魚達が一斉に配置につく。
これは・・・かなりヤバイ状況だぞっ!!
敵の大将はギギ坊と違って、相当なキレ者だ。
初動のミスで取り返しのつかない事になる。
ここはシュールになって・・・違ったww
クールにこの状況を判断して、どこかに突破口がないか探すんだっ!!
前方の出入り口は雑魚で塞がれている。
後ろには出入り口が無い。
・・・いや、待てよっ?!
斜め後ろに小さな抜け道のような穴があるっ!!
あの大きさならボスはもちろん、雑魚でも通れないんじゃないかな。
ボクは、敵の出方を警戒しながら少しずつ後退りをし、一気にその小さな穴へと駆け込んだ。
その穴をくぐり抜けると、外へと繋がっていた。
ふーっ、マジで危なかった・・・。
敵ながら、あの大将はかなりのプロモンだ。
敬意を表して、アイツを大佐と呼ぶことにしよう。
「おいっ貴様っ!敵前逃亡とはなんだっ?!バカか?アホか?腰抜けか?貴様のその牙はハッタリかっ?!」
・・・お口が過ぎますよ。
「バカはギギ坊の方じゃまいかっ!あんな状態でボクらに勝ち目があると本気で思ったのか?」
「俺様に向かってバカとはなんだっ?!コレをこうしてやるっ!!」
ギギ坊は、背中でボクのスカーフをハムハムと食い千切ろうとしている。
「おいっ!!やめろ・・・ください(震え声」
ボクらの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。