それいけ!ファンゴ君G (14)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、二匹旅をしている。
ひょんなことから、垂れ耳とこの水没林を探検することになったボクは、垂れ耳が言っていたボクの仲間がいっぱいいるという所へやってきた。
そこは、生い茂る木々で太陽の日差しが遮られ、少し薄暗い場所だった。
そして確かにそこには数頭のファンゴ達がいた。
どれどれ、こっちの雌ファンゴちゃんには美麗ファンゴちゃんはいるのかにゃ?
あの娘はなんだかなーっ。
あの娘も今一ピンとこないっ。
ここにはボクのお眼鏡に叶う娘はいないっ(眼鏡クイっ
って、ボクは何をやっているんだっ?!
この旅が終わるまで、色欲は封じたハズじゃまいかっ!
「ユーはどんなガールが好みなんだ~い?」
「・・・こう・・・お尻が・・・プリっとした・・・」
ってボクは何を言ってるんだっ?!
ボクは自分の煩悩を追い出すべく、頭を軽く振った。
すると、バサバサと羽音とともに、空から色鮮やかな鳥が舞い降りてきた。
あれ?
いつかのペッ子・・・とは色合いが少し違うな。
ラッパ風の嘴に、赤っぽい色とりどりのペッ子似の鳥だった。
ペッ子の親戚か何かなんだろうな。
ま、まさか、あの性格まで同じだったら少し厄介だぞっ!
「オゥっ!あの娘はなかなかにファニーな奴をコールするからこの辺じゃ、トラブルメーカーっ娘さ~」
そう言っている傍から、赤ペッ子さんはボクらに気付くと、真っ赤な喉を膨らまし、ヴォーーーっと大きな声で鳴いた。
ドスっ、ドスっ、ドスっ!
「呼んだ?」
赤ペッ子さんに呼ばれてやってきたのは、なんと!筋肉隆々で、アゴの下からも無数の牙が生え、ぶっとい尻尾にとてつもない大きさの荒ぶる恐竜だった。
「オゥっ、ジーザスっ!!アレは、イビルジョーと言って、この辺で出会ってはならないモンスターナンバーワンだよ~っ」
イビル・・・ジョー?
確か、砂原で洞窟の中にいたメラルー達が言ってたな。
「もしも、どこかでイビルジョーに出会ったら、死んだフリは絶対にダメなのニャー」
「死んだフリしたら、そのまま食べられちゃうのニャー」
「もう逃げまくるしかないのニャー」
「ガクブルなのニャー」
うん、名前といい、あの風貌といい、まさしく完全に一致!!
まさか、ここでそのジョーとやらに出会ってしまうとはっ!
「ユーっ!さぁ、一緒にランナウェイ~」
ボクと垂れ耳は、急いでその場から逃げる事にした。
あれっ?
赤ペッ子さんは、無事なんだろうか?
・・・ま、いっかw
自業自得だなww
ボクらの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。