それいけ!ファンゴ君G (12)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、二匹旅をしている。
奇面族のおかげで、九死に一生を得たボクは、リノッチからシュールにもネチネチと小言をくらってしまった。
「・・・まぁ、お前のおかげでシュールなこの俺も助かったからアレだけどよ・・・とにかくサンキューなっ(照」
お互い助かったからよかったものの、アレは確かにワロエナイ状況だった。
自分でも、まさかこの身を犠牲にしてまでリノッチを助けるとは驚きMAXだ。
これが仲間の絆・・・ってやつなのか?
確かに一人旅は、何の足枷もなく自由気ままでいいけど、こうして仲間がいるというのも実に悪くはないものだな。
その後、奥地にある少し涼しげな場所や、薄暗い洞窟など砂原のあちこちをリノッチがくまなく案内してくれた。
天井から砂がパラパラと落ちているエリアに来た時、その場にあのビッグマウスがノンレム睡眠のごとく、ぐっすりと熟睡していた。
「あっ!アイツ!!・・・ここはリベンジかっ?!」
「おいっ!止めろって!!あんな目に合ってまだやり合うつもりかよっ、・・・ったくシュールじゃないぜっ!」
それもそうだ。
いくら眠っているからと言って、ビッグマウスに勝てる算段は何も無かった。
うーん、うーん、でも、どうにかうまいことヤツを懲らしめる方法は無いかな・・・。
あっ!ピッキーーンっ!!
「じゃぁさ、こんなのはどうだいっ?」
(ゴニョゴニョ)
「・・・ったく、おまえってヤツはスーパーシュールだなっ!」
ボクらは、近くの採掘場から石を転がし、眠っているビッグマウスの回りにそれらを並べた。
「うpっ、ミステリーサークルの完成だっ!」
「ギャハハっ、きっと宇宙モンスターでも来たのかとビックリするだろうな、実にシュールだぜっ!」
ビッグマウスの慌てふためく姿も見たいが、こんな狭い場所ではすぐに見つかってしまう。
ボクらはビッグマウスの目が覚める前に、そのエリアを出ることにした。
さて、そろそろこの砂原ともお別れする時か。
リノッチは、一緒に来てくれるかな?
「リノッチ・・・、ボクはそろそろ次の地を目指そうと思うんだけど・・・よかったら一緒に行かないかい?」
「は?もう行くのかよっ?!」
ボクの真剣な眼差しに、リノッチはしばらくうーんと考え込んだ。
「・・・ごめん、俺は・・・ここの縄張りをシュールに見捨てることはできないんだ」
「そっか・・・そうだよねっ」
「あっ、でもよっ、またここに戻る事があれば、このシュールな俺が砂原でよかったら一緒に冒険してやんよっ!」
「うん・・・トンクスっ!」
その後、二匹とも終始無言のまま、砂原の出口までリノッチが見送ってくれた。
「必ずまた戻ってこいよ!」
「うんっ、それまで元気でね、リノッチっ!」
リノッチは、ボクが見えなくなるまで出口からボクを黙って見送ってくれた。
この旅が終わったら・・・必ずまたここに戻ってくるよ!
テッテレー♪
リノプロスと別れた!
ボクの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。