それいけ!ファンゴ君G (7)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、一人旅をしている。
ボクはリノッチの指定した場所で、小一時間・・・いや、既にそれ以上経過していると思われる時を空腹のまま過ごした。
むむっ、来ない・・・来ないぞっ!
もしや、あっちの方向だったのか?
ボクは急いで元いた場所に戻り、リノッチが走って行った方向へと向かった。
おわっ!
こっちにも蝶がいたっ!!
そして待ちぼうけリノッチもそこにいたっ!!!
「ハァハァ・・・今北産業・・・」
「お前なぁ!どんだけ待ったと・・・いや、止めておこう。シュールじゃねぇ」
「あのぉ・・・小腹が空き過ぎて、大腹になりそうなんでつが・・・(汁」
「しょうがねーなっ、ここにバッタいるぞ」
「バッタは・・・もういいれす・・・(泣」
「好き嫌いするなんてシュールじゃねぇな・・・隣りのエリアに植物あるからそこに行くか?」
「連れてってくらさい・・・(喜」
テッテレー♪
リノプロスが仲間に戻った!
ボクらは、すぐ隣りのエリアで植物が生えている所へとやってきた。
「昼間はツタの葉があるからその根っこでも食っとけ」
ボクは落とし穴ができそうな位にその場を掘り返し、根っこを根こそぎ食らった。
やっと腹六分目・・・という時、近くの水溜りからポコポコっと微かな音が聞こえた。
ん?
その水溜りを目を凝らしてよく見てみると、浅い水面に茶色い何かが浮かんでいる。
その茶色い何かは、風もないのにユラ~っと静かに動いていた。
なんだあれ?
あんなのは、ここに来た時にはなかったぞ?
ボクはその水溜りに近づいた。
「おいっ、気を付けろよ、そいつは・・・」
とリノッチがボクに言い掛けた瞬間、
グハーーーーッ!
その茶色い何かが水面から飛び出した。
その姿は、全身茶色で頭がえらくデカくて硬そうなヤツだった。
なんだコイツはっ?!
「そいつは、ボルボロスだ!この辺でも最高にシュールなヤツだっ」
リノッチが解説してくれたが、そのボロボロとやらは泥だらけの水面でゴロゴロと寝返りをうっては、体中泥だらけになっている。
これじゃ、まるでドロボロスじゃないかっ!
「俺と同じで縄張り意識が強いから、攻撃される前にシュールにずらかるぞっ!」
えーっ・・・。
こんなヤツなら、ボクらでシュールにやっつけられるんじゃないのか?
ボクはリノッチを無視して戦闘態勢に入った。
ドロボロは、すぐに縄張りから退散しないボクらに怒ったのか、頭から湯気を出しながらボクに向かってこようとしている。
いい度胸だっ!
ボクよりデカいからって、このボクが短い尻尾を巻いて逃げると思ったか?
答えはノーだっ!!
ボクとドロボロは同時にダッシュをした。
が、ドロボロへと一直線に駆け出したボクをよそに、ドロボロは円を描くように湾曲し、リノッチの方へと突進して行った。
「なにっ?!」
リノッチは、まさかドロボロが自分に向かってくるとは思わなかったようで、少しの油断が命取りとなった。
ドロボロの強烈なタッコウでリノッチは、遠くへと吹っ飛んでいった。
「リノッチィィィィィーーーーーっ!!」
ボクは、リノッチが吹っ飛んでいった方向へと駆け出した。
ドロボロは、これで自分の縄張りを死守できたと安心したのか、泥水へと戻って行った。
ボクらの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。