それいけ!ファンゴ君G (8)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、二匹旅をしている。
遠くまで吹っ飛んだリノッチを追い掛け、ボクはリノッチの無事を確認した。
「ってーーっ!ったくシュールじゃないぜっ・・・」
何はともあれ、無事でよかったな。
「案内役の俺をシュールに無視すんなっ!」
てへっ、サーセンっ。
そんな和やかな雰囲気の中、どこからともなく地響きが聞こえてきた。
ドドドドドッ・・・
ギッシャァァァァーーーーっ!
砂煙とともに、地面から真っ黒な牛さんが現れた。
頭には立派な角が2本、これまた立派な黒毛和牛のような出で立ち。
oiっ!今度は黒牛かよっ?
「おいっ、お前、分かってんだろうなっ?」
hei、heiっ。
「あの黒いディアブロスは繁殖期の雌だから、最高にシュールな気性だぞっ!」
へー、アレ雌だったんだー(棒
普通の牛も黒牛も、見たことあるから別に問題ナッシングでつけど。
「コイツも縄張り意識が高いから、早いとこシュールにずらかるぞっ!」
あっ・・・。
ピッキーーンっ!!
「ボクらには、必ず勝てる必勝法があるっ!ちょっと耳を貸してっ」
ボクはリノッチへ耳打ちをした。
「マジかよっ?!お前・・・シュールだな」
逃げ腰リノッチも、今度ばかりはボクの作戦へと乗っかることにした。
黒牛子さんは、ボクらを縄張りを荒らしに来た侵入者かどうかを見極めようと、微量な咆哮で威嚇し、こちらの出方をうかがっている。
「さぁ、ショータイムだっ!!」
ボクとリノッチは、同時に駆け出した。
ボクは右前脚へ、リノッチは左前脚へと、同時に必勝タッコウを決めた。
ズサーーっ!
大きな身体を支えるには細すぎる脚への衝撃で、バランスを失った黒牛子さんは、前につんのめる形ですっ転んだ。
「おいっ、やったな!」
「だろっ?(ドヤっ」
ギッシャァァァァーーーーっ!!!
起き上がった黒牛子さんは、本気でお怒りになったようだ。
「おいっ、逃げるぞっ!」
「おkっ!」
ボクらは急いでその場を離れた。
こうやって、仲間とキャッキャウフフしながら過ごすのも楽しいものだな。
ボクらの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。