それいけ!ファンゴ君(28)

ボクは、偉大なるドスファンゴになる事を夢見て、一人旅をしている。
大男に助けられたボクは、ぶつぶつと文句を言いながらも、旅を再開し、別の地へと目指した。
辿り着いた場所は、やけに風が強くて深い谷が続く所だった。
うっぷ・・・。
風上に顔を向けてると息が苦しいな。
歩いていると、途中、地面に亀裂が走ったように少しだけ裂けている所があった。
何だろう?
ボクはその裂け目に立って、下を覗いた。
すると、突然地面の隙間から突風が吹き上げ、ボクはその突風に乗って軽々と谷の上まで飛ばされてしまった。
イテテテテっ。
尻もちついたじゃないかっ!
下へ降りようにも、かなりの高さがあったので、高所恐怖症のボクは仕方なく他の道を探した。
かなり深い谷底に出たボクは、一回りをする形となって、吹き飛ばされた裂け目の場所へと戻ってきてしまった。
もう同じ手には乗らないぞ!
ボクは、その裂け目を避け、ず横の下り坂を降りて行った。
そこには水場があり、ちょうど喉が渇いていたボクは、静かに水を飲み始めた。
とその隣へ、空からバッサバッサと大きな飛竜が舞い降りてきた。
ん?
翼に紐が付いている?
よく見ると、尻尾の付け根にも紐が付いていた。
どこ飛んだらあんな紐を引っ掛けてくるんだよっ?
そのヒモヒモも喉が渇いていたのか、ボクの事はお構いなしに水をガフガフと飲み始めた。
そして、ヒモヒモは腹いっぱいに水を飲み終わると、翼を広げ、バチバチと放電し始めた。
おいぃーーっ!
こっちまで被電してるぞ、周りをよく見ろよっ、ksg!
他のモンスターがいる所ではバチバチしてはいけませんってママから教わってないのか?
まったく、これだから最近のモンスターは・・・。
一体どういう教育受けてんだよっ?
ボクがプンスカ怒っていると、ヒモヒモは、ボクへの謝罪も無しにどこかへと飛んで行ってしまった。
これが噂のゆとりってヤツなのかっ?
この糞ヒモ族めっ!!
おまえなんてハンターに狩られてタヒんでしまえっ!!
と、飛んで行くヒモヒモを恨めしく見送るボクの視界に、洞窟の入口が入ってきた。
この先には何があるのだろうか?
ボクは勇ましく洞窟の入口をくぐった。
ボクの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。