それいけ!ファンゴ君(31)

ボクは、偉大なるドスファンゴになる事を夢見て、一人旅をしている。
高地を断念したボクは、歩き続ける内に海辺の木々が生い茂る土地へとやってきた。
なんかリゾートっぽくていいな、ココ。
見渡す限り、透明度の高い綺麗な海が広がる。
ボクは、老後は南の島でのんびり過ごす夢ももっていた。
よし、老後はここで過ごす事に決定な!
ボクはこの辺りを探検することにした。
木々の間を歩いていると、木の上に赤茶色の猿が昼寝をしていた。
こんなところにもバカ猿がいるんだなw
ピッキーーンっ!!
あの猿が寝ている木へ突進してバカ猿を木から落としてやるかっ。
ボクは木へと向かって超絶タッコゥを決めた。
ドーーーーーンっ!!
すると、猿とともに毒光虫も一緒にワラワラと落ちてきた。
わわわっ!
ボクは降りかかる毒光虫を避けるように、後ろへと下がった。
危ないっ、危ないっ、こんな所でまた毒るところだった。
ほっとしたのも束の間、昼寝を邪魔されたバカ猿がカンカンに怒っている。
よく見ると、バカ猿の背中に小さなプチ猿が乗っていた。
こいつら親子か?
「あたちのひるねをじゃましたでちゅねー!ママ、あいちゅをやっちゅけて!!」
背中のプチ猿が母猿へけしかける。
・・・・・・なんかイラっとくんな、あのプチ公。
その喧嘩、狩ってやるよっ!!
ボクはバカ猿親子へ目掛けて猪突タッコウを仕掛ける。
スカっ・・・
あれっ?
いない?
どこにもいないぞ、アイツら?!
ふと上を見ると、バカ猿は木の枝へとぶら下がり、手から糸を出して器用に木から木へと移っている。
なんだよ、猿のクセに糸を出すって、おまえ蜘蛛かよっ?!
バカ猿は、糸を巧みに操り、空中から急降下アタックを仕掛けてくる。
ボクはそれを避ける事しかできない。
「ちょこまかとにげてばっかでじゅるい!ママ、いっけぇーーー!!」
アイツはお猿に乗ったバカ大将か?
親の教育がなってないな。
ロクな大人にならないぞ!
っていうか、こんな空中戦ばっかじゃ、戦えないじゃないかっ?!
・・・なんか萎えてきたな。
ボクは、バカ猿親子を相手にするのを止め、その場を離れることにした。
ボクの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。