それいけ!ファンゴ君(20)

ボクは、偉大なるドスファンゴになる事を夢見て、一人旅をしている。
鬱陶しいくらいの木々に囲まれた所でボクは目覚めた。
いつのまにこんな所に?
それにしても夕べは変な夢を見たな。
今思い出してもゾっとするような夢だった。
あっ、寝汗でビショビショじゃないかっ!
ボクはブルブルと体を震わせ、気合を入れ直し、旅の続きを再開した。
歩いても歩いても木々が生い茂っている。
まるで樹海だな。
ボクは朝食がてら、その辺に生えているキノコを食べた。
うっ、うましっ!!
見た目は悪いが、今まで食べた事の無いような芳醇な香りと絶品たる味にボクの舌はとろけそうになった。
まさかっ、コレが噂のオニマツタケかっ?!
上機嫌で腹を満たしたボクは、鼻歌混じりに歩みを進めた。
すると、オレンジ色の鳥が遠くで休んでいるのが見えてきた。
ふんっ、また糞鳥か?
ボクが近づくと、その鳥はムクっと起きて、キョェーーーーっと甲高い声で鳴いた。
糞鳥なんてゆゆう、ゆゆうww
オニマツタケを食したボクは今、まさに鬼神のような力が溢れんばかりだった。
ボクが攻撃をしかけようとしたその瞬間、糞鳥が白いブレスを吐きながらこちらへ走ってきた。
えっ?
糞鳥の白ブレスがボクを直撃した。
・・・ムニャムニャ・・・おやすむぅ・・・zzz。
あろうことか、ボクはその場で眠ってしまった。
さっき寝て起きたばっかりなのになぁ。
目が覚めると、そこにはもう糞鳥の姿は無く、カンタロスがワラワラとボクにたかっていた。
シッシッ、糞虫めっ!
おまえらにとって、このボクは捕食する側なんだぞ!!
くっそー、あの忌々しい糞鳥め!
今度会ったら、あんな事やこんな事をしてやっつけてやる!!
ボクの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。