5日間連続小説⑤

ー9番ー
カッフは幼い兄が心配でただでさえまともに戦えないドスランポスに苦戦していた
カッフ「とにかく何処かに隠れるんだ!」
兄  「隠れるっていっても、この洞窟隠れる場所がないよ」
カッフ「そうだ!!ゲッシンたちに守ってもらうんだ!頼む!ゲッシン!」
ゲッシンは笑って答えた
ゲッシン「は?モンスター倒すのが ハンターの仕事だろ!このくそガキが勝手に着いてきたんだ、なんで俺達が。カッフ!ガキなんか気にせず戦えよ!」
カッフ 「人を守るのがハンターだろ !」
ゲッシン「そんなに人を守りたいならハンターランクあげろよ!そうしたら、このガキ一人よりもっと大勢の人を救えるぞ。だとしたら俺はお前より人を救ってることになるな!ハッハッハ」
カッフは必死にドスランポスの攻撃をかわし兄のところへたどり着いた
カッフ 「大丈夫か?」
兄   「ごめんね、カッフ」
カッフは兄を抱えてなんとかドスランポスやランポスからの攻撃をかわしていたがつまずいて転んでしまった
カッフ 「わぁぁぁ」
そこにドスランポスが襲いかかる
ゲッシン「カッフ!あと一撃でも当てれば討伐できてハンターランクがあがるんだぞ!」
カッフはなんとかドスランポスの攻撃をかわしたがそこにランポスが追撃してくる、もぅカッフに攻撃をかわす力は残っていない
カッフは襲いかかってくるランポスを目の前にポツリと呟いた
カッフ 「ハンターランクなんて・・・・・・・」
ーカッフが離脱しましたー
ゲッシン「あのやろぅ!」
ーロビーー
ロビーでは母親が泣き崩れている
母親   「どうか無事でいて」
ルードル 「大丈夫ですよ。カッフもいるし」
カレアージ「そうだ!ゲッシンとセウユーも一緒なんですよ!だから絶対大丈夫ですよ」
ルードルとカレアージが母親を励ましている時
兄「ママー」
母親は抱きつく兄を涙を流して強く抱きしめ返した
その横で弟も泣いている
母親「よかった!無事でよかった!」
兄 「心配かけてごめんね、でもカッフが助けてくれたんだ」
母親「カッフが!ありがとう。カッフありがとう」
うつむいているカッフにルードルが問いかける
ルードル「カッフ・・・・お前一人なのか?」
カッフはうつむいている
カレアージ「一人で帰ってきたって・・・まさか、離脱したんじゃ」
カッフは何も話さずうつむいたまま自宅へ走っていった
ルードル、カレアージは後を追いかける
ゲッシンとセウユーがドスランポスを討伐しロビーにクエストから帰ってきた
ゲッシン「カッフ!!カッフどこいった!」
セウユー「リタイアなんてしやがって!」
ゲッシン「討伐しなきゃ意味ねぇじゃねぇかよ!」
一部始終を兄から聞いた母親がゲッシンとセウユーの前に出て二人に話し出した
母親  「私も・・」
ゲッシン「え?あぁあのガキの母親か、ガキさえいなければ」
母親  「私も間違えていた。モンスターを倒してこそハンターだと思っ ていた。
カッフなんてフィギュアを買ってクエストにも出ないで何やってるんだかって思ってたけど、
今日カッフに助けてもらって気がついたの、人を守るのがハンターなんだって!
あなたたちもハンターを始めたその時の思いはそうだったはずよ
私も、あなたたちもカッフを少しバカにしていたけれど、
カッフはハンターランクよりも人を守ることを優先してくれた、立派なハンターだと思う」
ゲッシンは母の話を聞いて
ゲッシン「ハンターか・・・・」
と呟いてカッフに続いて今度はゲッシンがうつむいていた
ー夜ー
カッフの自宅にはルードルとカレアージがきていた
ルードル 「カッフ、お前はよくやったよ、カッフがいなければあの子供も戻ってこれなかったかもしれない」
カレアージ「カッフの決断は決して間違ってない!俺は誰に聞かれてもカッフは俺の友達だって胸を張って言える」
カッフ  「二人ともありがとう」
ー二日後ー
漆黒のマントを風になびかせ
カッフが歩いている
手にはもちろんビニール袋
けどいつもと様子が違うのは街の人たちだった歩いて行くカッフに笑顔で話しかけてくる
武器屋  「カッフ!あの坊主を助けたんだったな!」
カッフ  「キャッ」
アイテム屋「おはよう!カッフ。助けたんだって?やるじゃない!カッフ」
カッフ  「ふぇっ?ふぁ?」
食材屋  「あんたやるねぇー」
カッフ  「あぴゃ」
カッフは街の人からかけられる声にキョドりながら自宅へと歩いていく母親、兄、弟「カッフありがとう」カッフ「お、おふぉ」
カッフは少しニヤケている
ー酒場ー
酒場ではゲッシン、セウユーが称賛を浴びている
ハンターA「あのラビエンテを!スキル教えて!」
ハンターB「やっぱり凄いや!!」
ゲッシン「少し辛かったけどな、な んてことねぇよ」
セウユー「危ない所もあったがこんなとこだろ」
ハンターC「おおぉぉぉぉ」
そこに老人が入ってきた
ゲッシン「おい!じぃさん!」
ゲッシンとセウユーが老人へとかけよった
老人  「おぉゲッシンかセウユーも、 どうしたんじゃ?」
ゲッシン「じぃさんの畑まだランポスに荒らされてるのか?クエストは受注できるのか?」
老人  「え!受けてうれるのか??ありがたやぁ。実はな、あの後カッフたち三人がきてのぉ」
ゲッシン「カッフたちが?!」
老人  「そうじゃ、でも受注してくれたのじゃがクエスト失敗してしもぅたんじゃ。ゲッシン受注してく れるのか?」
ゲッシン「受注してやるよ」
老人  「ありがたやぁ、でもどうして?相手はランポスじゃよ?」
セウユー「困ってるんだろ?」
ゲッシン「俺たちハンターだからな !」
照れ臭そうにゲッシンとセウユーは笑みを浮かべていた
ー街ー
兄「カッフは、こうやってね、こうやって助けてくれたんだ!」
兄は嬉しそうに母親に語りかけているその横で弟が羨ましそうにしている
弟「いいなぁ」
兄「いいだろぉ」
母親は二人のやり取りをみて笑顔でたしなめる
母親「こらこら、勝手にクエストに着いていったのはいけないでしょでも、カッフには感謝しないとね」
兄 「うん!!僕は大きくなったらカッフみたいな立派なオタクになる !!」
弟 「なるぅー」
母親「こら!!オタクはだめ!」
ーカッフ自宅ー
カッフがニヤニヤしながら帰ってくる
カッフ「いったいなんなんだ。なんだ、この反応!照れる。」
カッフの自宅のドアがノックされる
ードンドンー
カッフ 「あぁルードルか」
ルードル「凄い反応だな!」
カッフ 「まったくだよ!」
ルードル「おっ、また狩ってきたの か?」
カッフ 「おう!狩ってきたぜ!」
またカッフの自宅のドアがノックされる
ードンドンー
カッフ  「どうせ、カレアージだろ」
カレアージ「どうせとはなんだ!しかし凄い反応だな!」
ルードル 「誇れる友よ」
カッフ  「やめろよ」
カレアージ「おっ!今日は何狩ってきたんだ?」
カッフはビニール袋からフィギュアを取り出す
カッフ  「今日はこいつだ!じゃーん」
ビニール袋から出てきたのはケルビだった
だが、そのケルビは普通とは違う躍動感があり今にも角が天を貫きそうだった
ルードル 「ケルビ?ケルビならもぅ持ってるじゃん」
カレアージ「ダブったか?」
カッフ  「いや、なんか限定のケルビらしいから狩ってきたんだ。それになんかカッコいいし」
ルードル 「カッコいいな!」
カレアージ「そんなことより、早く酒場に飲みに行こうぜ!」
カレアージが二人を引っ張りカッフの自宅を出ていく
だけどすぐにカッフだけが戻ってきてケルビのフィギュアをラギアクルスの横に置く顔はニヤケている
外から声が聞こえる
カレアージ「おぉぉぉぉぉい!カッフ!早くしろよぉ!」
カッフは慌てて自宅を出ていく
カッフ「わかったよ!」
カッフが自宅から出ていき扉が閉じられた
ーバタンー
限定フィギュアのケルビが乗っている台座の裏に何か書かれていた
ー天をつらぬくケルビ角 祝5周年ー