それいけ!ファンゴ君 シーズン4 (39)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、二匹旅をしていた。
白黒兄貴に喧嘩を吹っ掛けるも、見事な返り討ちにあったレディー・ガブ。
ボクは、生ける保存食とされながらも、レディー・ガブの怪我を心配した。
直撃を受けたレディー・ガブの翼は、部分的にバチバチと黒いオーラを放っていた。
とりま、薬草とか・・・って、ここには何も無いじゃまいかっ?!
薬草を探しているボクは、ウチケシの実を見付けた。
何も無いよりはまだマシか。
ボクはウチケシの実を拾い、前脚の蹄で何度も踏み付け、ペースト状にしてからレディー・ガブの翼へと塗った。
すると、怪我自体には効かなかったものの、バチバチの黒いオーラがたちどころに消え去った。
これで少しは楽になったハズだ。
「あとは・・・安静にしてないと、二度と飛ぶ事ができなくなるかもしれないよっ?」
「なっ・・・余計なお世話よっ、ふんっ」
それだけ憎まれ口を叩ければ、問題無いだろう。
「とりあえず、君の巣まで運んで行ってあげるよ」
「え?何言ってるの?アタクシの巣はあの崖の上よ?」
えぇーーっ?!
遥か高いあの崖の上って・・・ボクには無理じゃまいかっ!!
「あの崖下の近くに行ったら、誰か知り合いとか迎えに来てくれるかなっ?」
「誰も来ないわよっ!だって、アタクシの巣を知ってるのは・・・だけだけど、今は旅行中でいないし・・・」
それでもボクは、嫌がるレディー・ガブを無理矢理背中に乗せると、巣のある崖下まで歩いて行った。
崖下に辿り着くと、遥か頭上の崖の上をボクは目を凝らしてじーっと見た。
あれ?
一匹、何か飛んでるぞっ?
「巣の付近に誰かいるみたいだよ?」
「えっ?まさか・・・っ?!」
そのまさかさんは、遥か上空からボクらを見付けると、ボクらの元へと飛び降りてきた。
「ギャっツ!!」
「ダンディー・ガブっ?!どうしてっ?いつ帰ってきたのっ?」
「丁度、さっき着いたばかりさ。ギャっツ!!」
ダンディー・ガブ・・・ってww
なにはともあれ、知り合いがいてよかったな。
「おや?怪我してるのかい?ギャっツ!!」
「え・・・えぇ、少しかすった程度よ」
「ギャっツ!!それでも化膿したら大変だっ、お土産に美味しい腐肉を持ってきたから一緒に食べよう!それで精を付けるんだ、ギャっツ!!」
「あ、ありがとう、ダンディー・ガブ!」
ふ・・・腐肉・・・(汁
「君かな?レディー・ガブを助けてくれたのは?ギャっツ!!」
「あ・・・いや・・・ちょっと手当をしただけさ」
「ありがとう、助かったよ。そうだ!君も一緒に腐肉パーティーに参加するかい?ギャっツ!!」
「え、遠慮しておきまつ・・・」
「そうかい・・・それは残念だ。それじゃ行こうか、レディー!ギャっツ!!」
「えぇ、ダンディー!」
ダンディー・ガブはもう一度ボクへお礼を言うと、レディー・ガブをダンディーの如く抱えながら、遥か上の巣を目掛けて飛んで行った。
肝心のレディー・ガブからはお礼の一言も無かったが、正真正銘、愛の巣へと旅立った二匹を見上げながらボクは安心した。
しっかし、あれはどうみても、レディー・ガブがギャっツ・ダンディーにベタ惚れってところだなww
ボクは一匹ニヨニヨしながら、その場を後にした。
テッテレ~♪
ガブラスと別れた!
ボクらの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。