それいけ!ファンゴ君 シーズン4 (27)

ボクらは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、二匹旅をしている。
おケツにオドちんをぶら下げたまま、果敢にもクシャクシャさんへ戦いを挑もうとしているボク。
アイツが地上へ降りてきた時が、最大のチャダンスだっ!
ボクは、クシャクシャさんが地上へ降り立つのをひたすら待った。
さて、全力でいくかっ!
ボクは、地上へ降り立ったクシャクシャさんの、か細い前脚を目掛けて猛絶タッコゥをかました。
と、その時、偶然にもクシャクシャさんは頭を下げ、ボクとクシャクシャさんは頭突き合いになってしまった。
ガキンっ!
いてててててっ・・・なんて石頭なんだっ?!
ボクの頭の回りには、ピヨピヨと小さなイャンクックの雛が羽ばたいていた。
そして、ボクのカラータイマーがピコンピコンと警告音を鳴らすと、ボクの中のみなパ(みなぎるパワー)が跡形もなくどこかへと消え失せていった。
な・・・に?
もしや、あの怪力の種効果は・・・時間制限がある・・・のか?
クシャクシャさんは、またもや空中へとその居場所を変えた。
よしっ、次回から本気を出すっ!
ボクは、そのエリアから脱出する事にした。
「オドちん、もう離してもいいよ」
「(んぐっ)・・・は、はいっ」
ボクのおケツから離れたオドちんの姿は、あの幼い風貌は微塵も感じられない程の成長を遂げていた。
「・・・オド・・・ちん?」
「あっ・・・ごめ・・・(んぐっ)、吸うな吸うなって・・・吸えって事ですよね?」
ボクは、ガーグァ倶楽部ではないのですよ?
いったいこの子は、どこからそんな小ネタを仕入れていたのかしら?
「あっ、でも・・・美味しかったですよ?(じゅるっ」
そこは、素直にごめんなさいだろっ!
ったく、どういう教育・・・って、ボクかっ?!
「私、一度、母の元へ戻りますね」
「えっ?どうしてまた・・・」
「あんな母でも・・・結構寂しがり屋さんなんです」
うぅぅっ、なんて親想いの良い子なんだろう。
でも、あの鬼母の元に戻るなんて・・・。
「ちゃんとお別れの挨拶をしてから、親離れしようと思います」
「あ、それならボクも応援するよっ!オドちんなら、もう一匹で立派に生きていけるさっ」
「ありがとうございます」
「・・・あっ、最後に一言いいですか?」
「なんだい?オドちん」
「その「オドちん」って呼ぶの止めてもらえます?私、もうあの頃のオドオドした私とサヨナラしたのでっ」
なんとまぁ、しっかりしたお嬢さんだこと。
「うん、わかったよ、スクちん!君はもう強い子だっ!」
「それじゃぁ、お元気で!」
「スクちんもねー、ママに宜しくーっ!!」
テッテレ~♪
スクアギルと別れた!
何はともあれ、あのスクちんが、この短時間で見事に成長してくれた事がボクは嬉しいよ。
・・・って、ボクの汁で成長したんじゃまいかっ!!
あー、何か早く食べないと貧血でぶっ倒れてしまう・・・。
ボクは食べ物を求めて、この凍土にお別れをした。
ボクの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。