スピンオファンゴ君G

[リノプロス編]
ドドドドーーっ!!
ドドドドーーっ!!
砂原中に地響きが鳴り響いた。
「ちょっと!待ちなさいよーっ!」
「ごめんって言ってるだろっ、もう許してくれよーっ!」
「今度という今度は絶対に許さないわよーっ!!」
ディアブロスとディアブロス亜種がなにやら大ゲンカをして、ディアブロスがディアブロス亜種に追い掛け回されていた。
「私がちょっと留守にしたからって、私達の巣に他の雌を連れ込むなんてほんっと最っ低ーっ!」
「悪かったって!何も無かったんだから許してくれよっ!」
「何も無かったワケ無いじゃないっ!!」
ディアブロスのちょっとした浮気心が、ディアブロス亜種の逆鱗に触れたようだった。
ラングロトラやボルボロスまでもの大型モンスターでさえ、こうなってしまったディアブロス達の大ゲンカには太刀打ちできなく、皆、大きな岩陰など安全な場所で息を潜めて隠れていた。
ドドドドーーっ!!
グワシャーーっ!!
ドドドドーーっ!!
ガラガラーンっ!!
ディブロス達の派手な追い掛けっこで、蟻塚や岩山までもが崩れ落ちる。
崩れ落ちた蟻塚からはオルタロスの集団が避難する為に、引っ越し作業をしていた。
「おいっ、今度のケンカはマジでヤバイぞっ?!」
「マジかよっ?ったく毎度、毎度シュールじゃねーなっ!」
リノプロス達も避難するべく、大騒ぎをしていた。
「俺ら、とりあえず火山に避難するけど、おまえどうする?」
「火山か・・・。うーん、俺的にはシュールじゃねえな・・・」
少し前にファンゴが旅に出発した直後の出来事だった。
「あっ、俺、ちょっとシュールな旅に出てくるわ!」
「旅ってどこ行くんだよっ?アテはあんのか?」
「ん、まぁな」
火山へ避難するリノプロスの仲間を見届けると、リノプロスは一匹別の方向へと旅立った。