蒼白・ランディープ

「さぁ、今日こそ決着をつけようではないか!」
「もちろんだ、かかってこい!」
孤島の海辺で、因縁の対決が始まった。
リオレウス亜種とラギアクルス亜種。
後に伝説とされる蒼と白の戦いが、ついにその決着を迎えることとなる。
リ「お前さぁ、自分で自分の事、カッコイイと思ってるだろ?」
ラ「お前だって、上に希少種がいるのに、自分の事、飛竜種No.1とかほざいてるだろ?」
リ「真ん中っ子は一番誰にも相手にされないんだ、それ位言ったっていいじゃないか!」
ラ「俺だって希少種がいるから肩身狭いんだよ!」
ともに、原種と希少種に挟まれ、亜種としての尊厳をかけた戦いが今まさに始まろうとしている。
リ「今日は、何で勝負する?」
ラ「そうだな・・・アッチムイテホイか?」
リ「昨日もやったじゃんかよ、それ!ってか、お前グーとパーしか出さねーじゃんっ!」
ラ「じゃーお前、チョキ出せんのかよ?」
リ「ぐぬぬ・・・ほれっ、頑張れば出せんだよ!」
ラ「・・・微妙じゃねーか!」
ラ「潜水タイムで競うのはどうだ?」
リ「お前・・・俺がカナヅチなの知ってて言ってんのか?」
ラ「わりぃわりぃ」
リ「そんじゃ、ホバリング対決ってどうよ?」
ラ「お前・・・俺が高所恐怖症なの知ってて・・・ってか、俺翼無いじゃんっ?!」
リ「ハハハっ、わりぃわりぃ」
2頭は、砂浜へ並んで腰掛けると、海の向こう側を見つめた。
リ「なんかよ、俺らってさ、どうなんだろうな?」
ラ「何がだよ?」
リ「いや、亜種ってさ、希少種が出るまではチヤホヤされてたけどさ、希少種が出た途端、誰にも相手にされねーじゃん?」
ラ「で?」
リ「だ、だからよ、その・・・なんだ、自分の居場所・・・って言うかさ・・・」
ラ「お前、そんなんで悩んでるのかよっ?」
リ「お前は考えないのかよ?」
ラ「考えたってしょーがねーさ、亜種として生まれてきたんだ、これからも亜種として生きてくしかねーじゃん」
リ「お前・・・ミスター・ポジティブ君だな」
ラ「じゃぁ、お前はミスター・ネガティブ君じゃねーか」
リ「ハハハっ・・・お前には敵わないよ」
ラ「なんだよ、もっと自信持てよ!」
リ「・・・・・・」
ラ「お前の蒼、深い色合いで・・・カッコイイと思うぞ」
リ「っ?!・・・お前だって・・・その白・・・なかなか似合ってんじゃん」
ラ「あっ?やっぱりー?自分でもこの白、気に入ってんだー♪」
リ「まったく・・・お前ってヤツは・・・」
夕日で海が美しく染まりだしてきた。
ラ「そろそろ時間だな」
リ「そーだな」
ラ「対決の続きは、また明日な!」
リ「おうよ!その首洗って待ってろよ!」
ラ「おうさ!そっちこそ、負けても泣くなよ!」
2頭は、勝負を明日へ持ち越して解散した。