それいけ!ファンゴ君G (30)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、二匹旅をしている。
ウロ氏にもヘタレなりの攻撃方があると判明したボクらは、Wミスターを放置し、ブラ男探しを再開することにした。
両サイドを溶岩に挟まれ、平坦な場所に出た。
そこには数匹のアイルーがいるだけで、大型のモンスターは誰もいなかった。
やみくもに探してもなかなかに見付ける事は難しそうだ。
すると、火山一帯を見渡せる絶好の場所があると言うウロ氏に、ボクは付いて行くことにした。
狭い山道を登り、火山の頂上へと辿り着いたボクら。
そこには数匹のウロ氏の仲間らしいモンスターがいた。
頂上から見渡すと、確かに火山一帯が手に取るように見える。
「・・・・・・ここなら・・・ヤツの居場所も分かる・・・ハズだ」
「おぅ!ナイスビューっ!」
ボクらは手分けしてブラ男の居場所を探すことにした。
とその時、後ろで突如、地面を突き破る大きな音がした。
すぐさま振り向くと、そこには燃え盛るように赤くて黄色い大きなモンスターがいた。
わわっ!!
デカーっ!ナガーっ!
・・・あ・・・れ?
ウロ氏をでっかくしたようなフォルムだ。
「もしかして・・・ウロ氏のパパ?」
「・・・・・・親父・・・?まさか・・・そんな・・・」
うろたえるウロ氏。
「おぉ我が息子よ!しばらく見ない内に大きくなったな!」
全ウロが泣いた!
まさに感動のご対面ってやつじゃまいかっ!
ってアレ?
「・・・・・・俺は・・・確かに見た・・・あの時・・・」
「なんだ?どうした我が息子よ!父の顔を忘れたか?」
「・・・・・・そんな・・・ハズは・・・」
ウロ氏は、幼い頃に見た光景を父と名乗るそのモンスターに話した。
「あぁ、それ・・・違うな。俺じゃない誰かだ」
えぇっ?
「俺はあの時、二度しかお前達の所へは行っていない!」
えぇーーっ?
「実は・・・三度目に行こうとした時だが・・・ゴホっ」
説明しよう!
ウロコトルの父であるアグナコトルは、三度目の見回りに行こうとしたその矢先、ちょっと美モンなアグナコトルを発見した。
これは浮気では無いと自分に言い聞かせるも、なんだかんだ言いつつ、長きに渡り、つい先日までその美モンといちゃこらしていたのだった。
「・・・・・・では・・・あの時・・・俺が見たアグナコトルは・・・」
「うーん、たまたま他のヤツがそこを通りかかったんじゃないか?」
なんて適当なパパなんだっ!
「しかし、あれだ!ブラキディオスなんてお前には100万年早い!」
「・・・・・・親父なら・・・イケる・・・のか?」
「おっ、おうっ!朝飯前だっ!」
何はともあれ、ウロ氏のビッグ勘違いで無謀な戦いに挑むところだった。
「それじゃぁ、敵討ちはナシの方向でよろしいかっ?」
「・・・・・・こういう事なら・・・致し方・・・あるまい」
「それじゃぁ・・・ボクは火山を出発するよ」
「・・・・・・迷惑を・・・かけた・・・すまない」
親子水入らずで積もる話もあるだろう。
ボクはウロ氏と適当パパに挨拶を済ますと、頂上からはぼっちで降りることにした。
テッテレー♪
ウロコトルと別れた!
ボクの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。