それいけ!ファンゴ君G (32)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、一匹旅をしている。
ブラ男の剛鉄拳から逃げ切ったボクは、いつの間にか虫けら一匹もいない寂しい場所へと辿り着いてしまった。
そこは溶岩の滝が流れ、空は黒い噴煙で覆われ、地面はさっきまでいた火山と同様に、溶岩の川に挟まれたわずかな大地があるだけだ。
ここ・・・まだ火山のどこかだよ・・・な?
それにしても誰もいないぞ?
すると、溶岩の滝の上に何やら黒いモンスターの影が見えてきた。
それは、カモシカのような特徴のある2本の太い角、分厚い翼、どっしりとした四肢、ガッチリとした飛竜を思わせるフォルムだった。
おっ、おぃっ?!
こんなところで・・・って、ここには隠れる所がどこにも無いじゃまいかっ?!
「最高のお面をもらいに来たっチャ!」
「ワガハイが先にもらうっンバ!」
懐かしい声が後ろから聞こえてきた。
こっ、コイツらw
「オレチャマが先にもらうっチャ!」
「ワガハイの方が先っンバ!」
ずっとこんな感じなのか?ww
遠くで二人のハンターが、奇面キッズに何か怒鳴っている。
「ヤーイ!怒られてるっチャ!」
「怒られたのはオマエっンバ!」
どうやら、あの時のハンター達が奇面キッズを引き連れて狩りに来たようだ。
「オレチャマは、アルバトリオンの討伐で忙しいから、終わったらお面を取りに来るっチャ!」
「ワガハイの華麗な狩猟をそこで見ているっンバ!」
奇面キッズは、ハンター達の元へと走って行った。
ボクは、狩りの邪魔にならないよう、岩壁の隅でじっと見守る事にした。
アルアルは、火のブレスを吐き、空中から雷を落としかと思うと、氷の柱を吐きだしたりと、多彩な攻撃をハンター達に仕掛ける。
アルアル・・・色んな属性使うのか・・・。
まるでウィザードだなw
ハンター達の内、一人は大剣のような武器をかざしていたかと思うと、その武器は斧のように形状を変化させ、匠にアルアルへ攻撃を仕掛ける。
へー、あんな武器もあるんだー。
別の一人はボウガン使いらしく、空中で飛び交うアルアルを見事に撃ち落とし、もう一人がこれまた見事な剣技でラッシュをかける。
アイツら、思ったよりも結構やるな。
ボクは脚をプラプラとさせ、優雅に高見の見物をしていた。
あれっ?
奇面キッズ・・・ただ踊ってるだけじゃまいかww
何が華麗な狩猟だよっw
ワロタww
あれでサポできてんのか?www
ザンネンコンビはどっちだよwwww
ボクはニヨニヨと、その戦闘の一部始終を見ていた。
次第に見学にも飽きてきた頃、やっとアルアルを討伐し、狩りが終了した。
すると、ボクの所へザンネンキッズが走って来た。
「ハァハァ、約束通りお面をもらうっチャ!」
「ハァハァ、ワガハイがもらうっンバ!」
持ち合わせが何もありまてんけど、何か?
すると、ハンター達がまたもやザンネンキッズに怒鳴り声を上げている。
「オマエがハギハギしてくるっチャ!」
「オマエこそハギハギしてくるっンバ!」
更にハンター達が怒鳴り声を上げる。
「むむっ、仕方ないっチャ!ちょっくら剥いでくるっチャ!」
「オマエ、ここで待ってるっンバ!」
ザンネンキッズはまたハンターの所へと走って行った。
どれ、今の内に退散するとしようかw
ボクは、ザンネンキッズが戻ってくる前に、その場を脱出することにした。
ボクの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。