それいけ!ファンゴ君G (26)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、一人旅をしている。
ギギ坊のお告げのおかげで、ボクは怪しげな温泉案内の看板をヌルーしてまっすぐと進んだ。
しばらく進むと、遠くに火山が見えてきた。
こんな所にも、火山があるんだな。
懐かしい思い出がよみがえるが、確か火山ってカオス軍だったよなw
ここは気を引き締めて行かないと、ヤバイことになりそうだ。
ボクは火山が見える浜辺を通り抜け、焼けつくような暑いエリアへと足を踏み入れた。
真ん中の陸地を挟んで、両側が溶岩の海となっている。
所々陸地が狭くなっているから、落ちたら大変だ。
ボクは陸地の真ん中を歩いた。
すると、地面からにょっと細長くて赤いモンスターが顔を出してこちらを見ている。
なんだ?アイツ。
ボクがソイツの横を通り過ぎるまで、ソイツはずっとボクを見ている。
そして、ボクが通り過ぎようとした時、ソイツはペっと赤い痰をボクに向かって吐出した。
なんだよっ!汚いなぁ・・・って熱っ!!
「・・・・・・悪い」
は?
悪いと思うなら、後ろを向いて痰を吐けっksgっ!!
気管支炎でも患ってんのか?
「・・・・・・お前・・・勇気は・・・持ち合わせてるか?」
は?
勇気ならりんりん持ってまつけど、それが何か?
「・・・・・・お前の勇気を・・・少しばかり・・・貸して欲しい」
え?
確かにボクの勇気はりんりん12倍界王拳だが、それを貸して欲しいとは、これいかに?
って言うか、なんでそんなボソボソとしゃべるんだコイツ?
「君、なんてモンスター?」
「・・・・・・俺は・・・ウロコトル・・・そう呼ばれている」
「ふーん、ウロ氏ね。ボクは・・・」
「・・・・・・ブルファンゴ」
「よく知ってるねっ!ってかフルネームで呼ばれたの久々すぐるんでつけど。ってか君はいつまで下半身隠してんだ?」
ウロ氏は、しぶしぶ地面から全身を出し、辺りをキョロキョロとした。
その姿は、全身赤く、タツノオトシゴのような体付きで、長い尻尾と特徴のある口をしていた。
「あっちの方にウロ氏のお仲間が沢山いるみたいだけど、なんでここに一匹だけポツンといるんだい?」
「・・・・・・一見、仲間のように見えるが・・・果たして仲間かどうか・・・俺には分からない」
え?
「だって、君にも兄弟とかいるんじゃないのか?ボクにもカワイイ妹や弟がいるぞ」
「・・・・・・妹なんて・・・てっきり都市伝説だとばかり・・・」
「親とか兄弟はいないのかい?」
「・・・・・・俺は・・・生まれてすぐに・・・みんなとはぐれた。だから今まで・・・一匹で生きてきた」
生まれてから誰とも話をしないで生きてきてるから、そんなコミュ障なんだよw
「で?ボクの勇気を何に使う気なんだい?」
「・・・・・・親の・・・敵討ち」
ふーん・・・。
えっ?えぇーーーーっ?!
何このヘヴィィーな展開?
テッテレー♪
ウロコトルが仲間になった!
ボクらの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。