古龍種 ラオシャンロンの生態報告

こんにちは。
東シュレイド共和国 古龍観測所
臨時研究員 生態学者 MaryDarcです。
今回の生態報告は誰もがその大きさに一度は驚いたでしょう、「ラオシャンロン」です。
古龍目 山龍亜目 ラオシャンロン科に属し、その外見はまさに山の如し、
頭部には一本の角を持ち体の半分は首と尾が占め全長は約70Mにもなります。
飛竜種とは異なる祖を起源とすると考えられ
かつては翼があったとされますが、これは巨大化する進化の過程で退化したと考えられます。
しかし、これだけの巨体にも関わらず、移動中の目撃例はあるものの、移動していない時の
目撃例が極めて少ないため、生息域や生息数、生態はいまだ謎の方が多いのです。
性格は比較的 穏やかであり他の生物を襲うこともないようですが
ひとたび動き始めれば目の前にある全てを破壊し尽くしてしまう程で幾度となく街や村が被害にあってきました。
これまで、何故ラオシャンロンがそのような破壊を行うのか知られてはいなかったのですが、
長年の調査で一定の周期で生息域を移動、縄張りを定期的に廻ることを繰り返していると判明しました。
これら破壊行為は故意ではなく、自らの生息域を周期的に徘徊する習性だとすると
本来のラオシャンロンの移動ルートだった地域に人間が住み着いてしまったことが発端であり
そこに街や村を築いた以上、天災と同じく防ぎようがありません。
この世界に住む共存すべきモンスター達の生態を知らない無知な我々が
ラオシャンロンの生態系を崩し、習性を狂わせる行為を行ったとしても、人的被害が出てしまっているのも事実であり
せめてその進行方向を我々人間の居住区からそらすべく
国では進路上に砦を築き、追い返すようハンターに依頼しています。
ラオシャンロンがどこからやってきて、どこへ去るのか謎のままですが
調査担当 サー・ベイヌ氏によると
山腹に鉱物精錬所が建築された際、地震とともに地下からラオシャンロンが現れ、奥地へ去ったという実例もあり
甲殻を研究している古龍学者が彼らの表皮に堆積した鉱物や火山灰などが長きにわたり降り積もり、
それが体の熱で溶かされ、やがて甲殻の層を形成すると分析したため
おそらく彼等は数百年以上に及ぶ長い年月を地中で堆積物に埋もれながら休眠し、
少しずつ成長して、なんらかの理由で眠りと食事を妨げられたときに
活動するのかも知れないとしています。
だとすれば、移動している時以外の目撃例が少ないことも
見るもの全てが大きいこともうなずけるのではないでしょうか。
近年、アイルーが爆弾で行う鉱石採掘がこの成長過程のラオシャンロンを目覚めさせるかも知れないと
その危険性も指摘されています。
最後に興味深いのは同じく巨大モンスター、甲殻種シェンガオレンが背負うラオシャンロンの頭骨です。
これは、我々が見たラオシャンロンのそれよりもはるかに大きく
この世界にはこれ程までに成長したラオシャンロンが存在するという証であり
まだ見ぬ「存在するはずの」モンスターに、研究者として心踊らせずにはいられません。