モンスタージャンピングG

水没林のとあるエリアで、ガノトトスとチャナガブルがばったり出会った。
「よぉっ!元気かチャナ!」
「元気よー、ガノ君はー?」
「俺はバリバリ元気よ!」
二匹は、元々顔見知りの中だった。
「そーいえば・・・ガノ君、今度のモスリンピックで出る種目は決めてるのー?」
近々、モンスター達によるモスリンピックが開催される予定だった。
「うーん、たぶん俺はロングジャンプの水辺コースかな」
「えーっ?!そーなの?実は私もそれにしようかと思ってたのにー!」
ロングジャンプ(水辺コース)とは、水中からのジャンプで陸地の着地点への距離を競う種目だった。
「ガノ君は翼あるから、ズルイよねー」
「いや、翼使ったら普通に失格だし・・・(汗」
「えー、でもガノ君、体長長いから有利だよねー」
「いや、計測するの脚の着地点だし・・・(汗」
「えー、でもガノ君、その体格だと水中での助泳が有利だよねー」
「いや、・・・えーと・・・まぁ・・・それは・・仕方無い・・・よな?(汗」
「・・・・・・」
チャナガブルは、ガックリと肩を落とし、試合が始まる前から負けたような表情をした。
「あー、わかったわかった!・・・俺はハイジャンプの方にするよ!!」
「えー、ホントー?!」
チャナガブルの表情が一気に晴れた。
(チャナって、こんなに面倒臭いヤツだったっけ?)
(ロングジャンプの副賞、カエル1年分だったのにな・・・)
(あれ?ハイジャンプって、何貰えんだ?)
副賞だけが目当てだったガノトトスは、ハイジャンプの副賞が何か、協会へと確認しに向かった。
「・・・ふっ、案外チョロイのね、ガノ君って♪」
チャナの晴れやかだった表情は、一変してドス黒い表情になった。