それいけ!ファンゴ君G (17)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、二匹旅をしている。
チャナフライを置き去りにしてきたボクらは、水気の無いエリアへとやってきた。
細長い道の周りには植物が生い茂り、アチコチに色んな虫が湧いていた。
ちょっと小腹が空いてきたな・・・。
おっと、こんなところにキノコ発見っ!
「ボクはちょっと食事にするよ」
「オーケ~。ミーも少しブレイクタイムするよ~。よっこらショ~タイムっと・・・おっと、これはスマートじゃないね~」
垂れ耳はドカっと地べたへ座り込んだ。
ボクがキノコをもぐもぐしていると、どこからともなくドスンっドスンっと地響きが地面を伝わってきた。
あれ?
垂れ耳はそこに座ってるし・・・なんだ?
まさか・・・またあの荒ぶるミスター・ジョーかっ?!
しかしそこへ現れたのは、ミスター・ジョーではなく、ジョーの倍いや、それ以上の大きさで、牛のような顔、背中にはコブのようなものがあり、尻尾の先端が大きな岩の塊のような、とてつもなく大きなモンスターだった。
「オウゥ!ザッツ、ドボルベルクだね~。ミーもたまにしかミートしないけど、踏まれないようにね~」
踏まれるも何も、視界がコイツの腹で遮られて、どこへ逃げていいやら・・・。
ボクは命からがら踏まれることなく、なんとかソイツの腹の下から脱出した。
ソイツは、道の真ん中にドテっと座り込み、ボクらの存在を無視するかのように眠りに落ちた。
えーっ、なんなんだよ、コイツっ?!
すると、どこからか数匹のアイルー達がワイワイとやってきた。
「・・・・・・ニャー」
「・・・・・・ニャー?」
「・・・・・・ニャっ!」
何やらヒソヒソと話をしていたかと思うと、その中の1匹があろうことか、ソイツの背中へとよじ登り始めた。
おいっ、やめろww
次々に背中へと登り始めるアイルー達。
全員が登り切った時、皆、持っていた武器を空高々に振り上げた。
ちょっ・・・待てっ、おまいらっ!
マジでやめろwwwww
おぃぃーーーーっ!!
コツンっ!
コブが硬過ぎて傷一つ付けられなかったが、その僅かな衝撃でソイツはムクリと起き上がった。
アイルー達は次々と背中から軽やかにコロコロと転げ落ちていく。
誰かにイタズラでもされたと思ったのか、ソイツはグハーっと怒りの咆哮をした。
そしてあろうことか、ボクはソイツと目が合ってしまった。
しかし、当のアイルー達はいつの間にか逃げ去っていた。
「えーと・・・イタズラ子猫さん達は・・・アッチでつ・・・」
ボクの言葉が通じたのか分からなかったが、ソイツはその場で後ろ脚を軸にして、その巨体をグルグルと回転させ始めた。
ナゼに回転?
やだ、なにこれこわい。
しかし、グルグルの先に何があるのか見たかったボクは、ソイツのグルグルが終わるのを見守っていたが、いつまでもグルグルと回り続けている。
なんだよっ、グルグルオンラインかっ?!
すると、グルグルし過ぎて目が回ったのか、その場にズサーっと崩れ落ちるグルグル。
なんだよっ、グルグル失敗かよっww
「もしアレがサクセスしてたら、ミー達のところにドボルベルクがフライングしているのさ~」
え?
マジで??
ボクなんて、虫けらのようにプチっと潰されるじゃまいかっ?!
マジキチすぐるっ!!
グルグルがまたグルグルしない内に、ボクらはその場を離れることにした。
ボクらの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。