それいけ!ファンゴ君(39)

ボクは、偉大なるドスファンゴになる事を夢見て、一人旅をしている。
スノウホワイトちゃんの協力により、どうにかうまいこと探査船に乗り込むことができ、船は空へと出発した。
ボクは、スノウホワイトちゃんの言う通り、彼女の後ろへピッタリと張り付いた。
うんうん、後ろから見てもカワイイなぁ~。
特にプリケツが・・・。
ヤバいっ・・・鼻血出そう・・・。
そんな悶々とした思いで甲板の端っこにいると、少し離れた所にいたハンターの一人がボクに気が付き、他のハンター達へひそひそと何かを耳打ちしている。
ヤ・ヤバス・・・!!
バレたか?!
すると、仲間のハンター達が見守る中、一人のハンターがこちらにゆっくりと歩み寄って来た。
あぅあぅ、ここで降ろされたら・・・って、ここ空じゃないかっ?!
そんなジタバタしているボクの目の前に、スノウホワイトちゃんが勇敢にも立ちはだかった。
キュルンっ♪
スノウホワイトちゃんは、ただでさえ美豚なのに、そのつぶらな瞳をウルウルと潤ませ、究極に可愛い萌えポーズをした。
「オヤツちょうだい♪」
後で聞いたら、やってきたそのハンターは、スノウホワイトちゃんの飼い主で、しかも頭にバカが付く程の可愛がりっぷりらしい。
「Ohhhhhh・・・・・・fっ!」
そのハンターは頭を両手で抱えると、体をクネクネと捩じらせ、スノウホワイトちゃんの頭を撫で撫でしたかと思うと、ポケットから豚せんべいを取り出してスノウホワイトちゃんへ与えた。
ちょっ、おまえのポッケの中、粉だらけなんじゃ・・・。
もらったせんべいの端っこを可愛らしく噛んだままスノウホワイトちゃんは、その場で飛び跳ね、嬉しさと可愛さをその体をもって充分過ぎる程に表現した。
ハンターは、これで一撃悩殺だった。
このボクでさえも、危うくキュン死しそうになった。
飛び跳ねながらスノウホワイトちゃんは、小声で「早く後ろの隙間に隠れて」と言った。
ボクは、ハンターがノックダウンされている間に、後ろの隙間へと潜り込んだ。
事なきを得たボクは、しばらくの間、狭い隙間でただ一匹じっとする事にした。
それにしても、せ・・・狭すぐる・・・。
横っ腹の皮膚が、壊死しそうだ・・・。
ボクの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。