それいけ!ファンゴ君(29)

ボクは、偉大なるドスファンゴになる事を夢見て、一人旅をしている

ぽっかりと口を開けて、ボクを招いているその洞窟の中に入ってみた

そこは少し薄暗く、ジメジメとした鍾乳洞のような場所だった。
にょっ?!
そこに、大きな爬虫類のような顔立ちのモンスターが、ボクよりも大
きな骨付き肉をムシャムシャと頬張っていた。
ボクに気付いたソイツは、食べるのを止め、こちらを凝視している。
ホルルルルル・・・・・・
すると、ソイツはバクバクと無雑作に地面ごと食べながらこちらに向
かってきた。
な、なんなんだよっ、コイツっ?!
バクバク・・・ムシャムシャ・・・バクバク・・・ムシャムシャ
土ごと食ってるぞ、コイツ?!
どんだけ腹空かせてんだよっ?!
お腹壊すぞ?
ボクが逃げ惑っていると、バクバクは突然止まり、目の前の地面にバ
クっとかぶりつくと、真上に向かって小石を吐出した。
パラパラと落ちてくる小石がボクの脳天を直撃した。
イテテテテっ。
ホルルルルル・・・・・・
おいっ!
バカにしてんのかっ?!
すると、バクバクは、オゲっオゲっと嗚咽した。
だから言わんこっちゃない。
案の定、お腹壊してるじゃないかっ!
と、その瞬間、バクバクはボクに向かってキラキラシャワーをぶちか
ましやがった。
おいぃぃぃぃぃっ!!
思いっきりのゲロじゃないですかぁー、やだぁー!!
もろにゲロをかぶってしまったボクは、悪臭もさることながら、その
悪臭に酔ってしまったのか、足元がフラついてしまった。
拾い食いしてはいけませんってママから教わってないのか?
ったく、どいつもこいつも、けしからんっっ!
ボクはフラつく足取りで、体にかかってしまったゲロを綺麗にする為
、さっきいた水場へと戻り、水浴びをした。
ふーっ、スッキリ♪
バクバク、いや、アイツはゲロゲロだな。
ゲロゲロって、蛙かよっ?!
ボクは一人突っ込みをしながら、その地を離れることにした。
ボクの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。