ハンターさんと私の10の約束

私はグークです。
3日前、卵から孵りました。
孵った時に、目の前には世話焼き猫さんがいました。
最初は、猫さんがお母さんかと思いましたが、猫さんは違うと言いました。
本当のお父さんとお母さんは分かりません。
きっと、今ガーデンにいるグークのどなたかでしょう。
ハンターさんから素敵な名前をもらいました。
ハンターさんは、私をとても可愛がってくれました。
でも、少しすると他のグークの所に行ってしまいます。
また、ハンターさんは狩りに出ると、長い時で一晩中戻って来ない時があります。
少し寂しいです。
ハンターさんが来た時に、私がどれだけ寂しい思いをしているか訴えても、少しの間抱っこしてくれるだけで、私の気持ちが伝わりません。
そこで私は考えました。
一生懸命考えて、猫さんからもらったメモに次の事を書きました。
猫さんはハンターさんとお話しできるようなので、通訳してもらう事にしました。
1 私と気長に遊んで下さい。
2 私を抱っこして下さい。それだけで私は幸せです。
3 私にも思うところがあることを忘れないで下さい。
4 ハンターさんの欲しい素材を持ってこないときは理由があります。
5 私にたくさん話かけて下さい。ハンターさんの言葉は話せないけどなんとなくわかっています。
6 私を怒らないで下さい。本気になったら私のクチバシの方が強いことを忘れないで。
7 新しいグークが生まれても、私と仲良くして下さい。
8 私はガーデンから出られません。だからできるだけ私と一緒にガーデンにいて下さい。
9 あなたには狩りもあるしハンター仲間もいます。でも私にはあなたしかいません。
10 お別れする時、キャンセルして弄ばないで下さい。そしてどうか覚えていてください、私がハンターさんを愛していたことを。
猫さんから話を聞いたハンターさんは、何か短い言葉を発しましたが、どんな意味なのかは分かりません。
猫さんに何て言ったのか聞いても、答えてくれません。
でも、ハンターさんには私の気持ちが伝わったはずです。
嬉しいなぁ、わーい、わーい。
トテテテテ、ドテっ。
「ピッ(痛っ)」
きっとハンターさんは転んだ私を心配してくれてるでしょう。
チラッと振り返ってみました。
ハンターさんは既にガーデンにはいませんでした。