災いの兆し

異常気象のせいか、生態系が崩れかけてきているモガの森。
草食種の繁殖時には、巨大なアプトノスや巨大なケルビが出現し、飛甲虫の繁殖時にも巨大なブナハブラが空中を舞うという。
そんな暗い噂を吹き飛ばそうと、モンスター達による大規模なバザーが本日開催されている。
モガの森で、真ん中に浅い川が流れる一番広大なエリアを会場とし、続々とモンスター達がお宝を持参して集まってきた。
「あっ!ロアルドロス君、もー来てたんだー♪」
「やぁ、クルペッコじゃないか!今日は何を出品するんだい?」
「んふっ、ペコペコラッパ♪ロアルドロス君はー?」
「僕は太古のオイルさ」
と、そこへ、リオレイアとラギアクルスがやってきた。
「あっ!リオレイアさん、こんにちわー♪リオレイアさん、今日は何出すのー?」
「あら、こんにちわ、私はね・・・女王の霊薬、これレア物よ」
「ラギアクルス君は何出すのー?」
「私は太古のオイルを出そうと・・・」
「僕とかぶってるじゃないかっ?!」
「そ、そうなのか?・・・それじゃ・・・仕方ないな・・・海王の大竜鱗にするよ」
ほとんどのモンスター達が揃うと、皆、出店の準備を始めた。
「ねぇねぇ、ロアルドロス君、まだ時間あるから少し見て回らない?」
「うん、いいね」
クルペッコは、ロアルドロスを誘うと、会場の端から順番に店を見ながら回った。
「あー、アオアシラ君のお店・・・珍味・熊の手って・・・まさかアオアシラ君の手じゃないよねー?」
「だっ、誰の手だろうね(汗」
「あー、ボルボロスさんのお店・・・高級泥パック欲しー!!」
「あっ、ロアルドロス亜種の店・・・もこもこタテガミ・・・くそっ、そうきたかっ!(僕よりレアな物を・・・)」
「あー、ディアブロス君のお店・・・ディアブロハートって・・・あれ買ったらディアブロス君とお付き合いしないとダメなのかなー??」
「あっ、ウラガンキンの店・・・安眠ガス袋・・・なんか危険な香りがするな。って、隣りのウラガンキン亜種の店でも安眠ガス袋って!こっちもかぶってるじゃないかっ?!」
「あー!」
「あっ!」
2頭は、イビルジョーの店の前で立ち止まった。
【~世界を喰らう胃袋 (プライスレス)~】
「な、なんかー、怖くなーい?」
「ぷ、プライスレスって・・・そもそも売る気あるのかよっ?」