それいけ!ファンゴ君G (29)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、二匹旅をしている。
ヘタレウロ氏の協力を得られないまま、ボクはミスターをやっつける作戦を熟考していた。
すると、そこへミスターと瓜二つのモンスターがやってきた。
ミスターよりも黒っぽい感じで、微かに悪臭が漏れ出ていた。
おっと・・・これは面白い事になりそうだ。
ミスターは、ボクらよりもミスター悪臭に狙いを変更した。
Wミスターは、互いにその強固なアゴを使って頭突きならぬ、顎突きをし始めた。
ボクは踏み潰されないよう、隅の方でその戦いぶりを見学することにした。
ボクの横にヒョコっと地中から顔を出したウロ氏。
「・・・・・・お前・・・怖く・・・ないのか?」
「え?こんな面白いもの、滅多に見られないじゃまいかっ?」
「・・・・・・さすが・・・俺が見込んだだけあるな」
何言っちゃってんの?コイツ。
あーここにキノコでもあればなぁ。
モグモグしながら見物できるのに。
ここにあるのは・・・ん?あそこに何かの実が落ちてるぞ?
ボクがその実に近付こうとしたその時、Wミスターが互いに顔を擦りつけ合いながらドスドスとやってきた。
「・・・・・・おいっ!」
ウロ氏は素早く地中へ潜ると、ボクの真下から頭を突きだし、ボクを宙に放り投げる形でボクを助けてくれた。
「あっ、ありがトンっ!」
ウロ氏が初めて意義ある行動をした瞬間だった。
コイツ、こんな事ができるんだ・・・。
これで戦術の輪が広がりんぐっ!
Wミスターの戦いの末路は気になるものの、少しばかりの光明が差したボクらは、ブラ男探しを再開することにした。
ボクらの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。