それいけ!ファンゴ君 シーズン4 (30)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、二匹旅をしている。
思わぬところでリノッチと再会したボクは、二匹揃って探索を再開した。
「火山みたいに極端に暑い所とか、雪山みたいに寒い所ってさ、結構な確率でカオスだよねっ?」
「ん?そうか?どこも似たり寄ったりじゃね?」
「いや、これまでの旅で経験してきたボクの感だと、ここにもきっとスンゴイヤツがいるねっ」
「マジかよっ?!ヤバそうだったらシュールに逃げんぞ?」
逃げ腰リノッチ、ここに健在・・・かw
そんな話をしながら歩いていたボクらの前に、黒くて大きなモンスターが現れた。
はて?
どっかで見たようなあのフォルム・・・。
「おいっ!あれはヤバいヤツなんじゃねぇのか?なんか、真っ赤なビームをシュールに出してっぞっ?!」
ソイツは、口から熱線のような真っ直ぐなビームを、誰に向けているのか狂ったように上下へと吐出していた。
あっ!思い出したっ!!
あれは・・・色は違うけど、バサちゃんママの親戚か何かだっ!
「大丈夫さっ!ボクの知り合いのママにそっくりだから、きっと話も通じるはずさっ」
「おっ、おいっ!」
リノッチが止めるのも振り払い、ボクはバサちゃんママの親戚かもしれないモンスターに近寄った。
「こんにちわっ」
「グワァーーーーっ!!」
耳をつんざくような咆哮に、ボクは身を縮めてしまった。
「おいっ!全然通じてねーじゃねぇかっ!」
あれ?おかしいな・・・。
すると、バサちゃんママの親戚かもしれないモンスターは、例のビームを狂ったようにぐるりと回るように吐出した。
おわっ、あっぶないなっ!
ボクの被毛のキューティコゥが焼け焦げてしまうじゃまいかっ!!
枝毛・切れ毛になったらどうすんだっ?!
ん?
バサちゃんママの親戚かもしれないモンスターは、片足を引きずって歩き、その引きずっている足をよく見てみると、1本の矢が刺さっていた。
あれが痛くて暴れてるのか・・・。
どうにかうまいこと、あの矢を抜くことができないかな・・・?
「リノッチ、あの足に刺さってる矢・・・抜けないかな?」
「えっ?おまえ・・・よく気が付いたな。って、あんだけ暴れてるのにシュールに抜ける訳ないだろっ!」
うーん・・・どうにかこのオバさんが気を逸らしてる内に・・・。
ピッキーーンっ!!
ボクは、リノッチへと耳打ちした。
「そっ、それって・・・もしかして、俺にシュールなオトリになれ・・・と?」
そう、この作戦で最も重要なのは、リノッチがキーマンであるというのはお察し。
んでもって、できれば見事なオトリっぷりを披露してもらえたら、こちらの仕事もやりやすくなるという事だ。
ドーユーアンダースターン?
「マジかよ・・・ちっ、しょうがねぇな・・・さっさとシュールに抜いてくれよ?」
ボクらは、作戦通りに行動を開始した。
ボクらの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。