それいけ!ファンゴ君 シーズン4 (25)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、一匹旅をしている。
鬼母から花嫁をかっさらってきた気分のボクは、隣りにある洞窟へと辿り着いた。
ボクは、咥えていたオドちんを静かに地面へおろした。
「あの・・・ごめんなさい、家庭のごたごたに巻き込んでしまって・・・本当にごめんなさい・・・」
「いいんだよ、ボクは間違った事はしてないつもりさっ!だからオドちんも、もう親離れして自由に生きるといいよ」
「・・・ごめんなさい」
「だ~か~らぁ~、もう謝るの禁止なっ!今度謝ったら、罰金として特選キノコなっ!ww」
「ごめんなさい・・・あっ・・・」
絶対にまた言うと思っていたボクは、案の定のセリフに吹いた。
それに釣られたオドちんも、クスクスと初めて笑顔を見せた。
そう、女の子は笑っているのが一番さ。
しかし、約束通り罰金キノコはきっちりと貰い受けるっ!ww
「あっ、何かお礼がしたいんですけど・・・」
「それじゃ、罰金キノコ×1個もらうまでこの辺を案内してくれると助かるかな」
「・・・ごめ・・・あっ・・・この氷海にはキノコは・・・ないんです」
ぬわんだとぉぉぉぉーーーーーーっ!!
キノコが・・・無い・・・だと?
なんて寂れたフィールドなんだっ!
「あっそー・・・んじゃ、なんか美味しい実か種がいいかな」
「ちょうど隣りのエリアに、力がみなぎると言われる種がありますっ!」
もしや、あの種かっ?!
「では、そこへ向かってレッツらんらんGoっ!」
テッテレ~♪
スクアギルが仲間になった!
ボクらが隣りのエリアへ向かおうとしたその時、ズサっ・・・ズササっ・・・と、何かが這いずるような音が天井から聞こえてきた。
天井を見上げてみると、そこには真っ赤なブヨブヨが天井を這いずっていた!
「あっ、あれはフルフル亜種さんですっ!目は見えないんですが・・・匂いで獲物を見付けると言われてますっ!」
知ってるさっ!
確か、雪山では真っ白なブヨブヨを見たけど、真っ赤バージョンもいたとはっ!
匂い・・・か。
こんな時、チャラ猿だったらあちこちで放屁をかまして、赤ブヨの嗅覚を麻痺させるんだろうなww
放屁がダメなら・・・やっつけだけど、お聖水でダイナミックマーキングかっ?
否、この氷海に来てからボクはまだ何も食べてないし、ましてや、さっき青魚に汁を吸われたばかりで、ボクの体内に残された水分は、生命を維持するのにギリギリの分量だ。
それに、こんな小さなオドちんが一緒じゃ正直、戦いには足手まといだ。
ここは素直に逃げるか・・・。
ボクが逃げの戦法へと考えがまとまる頃には、赤ブヨは天井から地面へと降り立っていた。
「よしっ、逃げるぞ!オドちんっ!!」
「はっ、はいっ!」
隣りのエリアへボクらが逃げようとしたその時、赤ブヨは頭を地面に伏せ、3方向に電気のブレスを吐出した。
おわっ!なんという大技3WAYっ!!
ボクは間一髪、その内の1WAYを避けた。
が、オドちんは別の1WAYが少しかすってしまったようだ。
「あっ!」
「だっ、大丈夫かいっ?!」
ボクは、親猫が子猫を咥えるように、またもやオドちんを咥えながらの逃走を計った。
ボクらの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。