それいけ!ファンゴ君 シーズン4 (26)

ボクらは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、二匹旅をしている。
赤ブヨからの負傷を負ったオドちんを咥えながら、なんとか無事に隣りのエリアへと逃げてきた。
「大丈夫かいっ?バチバチしてないかいっ?」
「・・・はい・・・ちょっとパチパチしてますけど・・・なんとか・・・大丈夫です」
やはりこの子には、まだ戦闘は早すぎるな。
何の取り柄も無いもんなww
「力の出る種がある場所に薬草が生えてるので・・・私はそれでなんとかしのぎます」
負傷したオドちんの案内で、ボクは力の種をむさぼり、オドちんは薬草をハミハミと食べた。
体内のアドレナリンが増殖するのを感じたボクは、戻ってあの赤ブヨに一発お見舞いしたいぐらいの気持ちに駆られた。
が、ここはオドちんの回復に専念しないといけないから、我慢、我慢。
とそこへ、上空からバサバサと鋼色のモンスターがこのエリアへと降り立ってきた。
なんか、アイツ・・・見たことあるな。
「あっ!クシャルダオラさんですっ!」
そうそう、クシャクシャさんだっ。
別名、オラオラさんとも言う(ただし、ソースはボク)。
クシャクシャさんは、ボクらに気付くと、ギシャーっとお決まりの咆哮をかました。
そして、ボクらの上をホバリングしながら旋回した。
と、その時、クシャクシャさんが纏っている黒い風の風圧で、ボクとオドちんは尻もちをついてコロコロと転がってしまった。
アイツ・・・完全にボクらを弄んでやがるなっ!
うっぷ・・・それにしても、あの風はヤバイっ!
いくらボディバランスがあるボクでも、あれを受けたらコロコロと転がってしまうぞ?
ましてや、オドちんなんて・・・あれ?
オドちんは、その軽すぎる体ゆえに、遠くまでコロコロと転がっていた。
まずは吹き飛ばされないように、オドちんをどうにかしなくてはっ!
ボクは、オドちんの元へと駆け付けた。
「オドちんっ!今からボクの言う通りにしてくれるかい?」
「えっ?あっ、はいっ!」
「君は吹き飛ばされないように、ボクのたわわなおケツにガップリと噛み付くんだっ!何があっても離してはいけないよっ?」
「・・・えっ?」
「いいかい?間違っても、ボクの汁を吸ったらダメだぞっ?ボクの汁は内臓脂肪で脂っぽいから、万が一吸ってしまったら、胸やけどころかお腹を壊してしまうからねっ!だからボクの汁は絶対に吸ってはダメだぞっ?何があっても吸ってはダメだっ!大事な事だから3回言ったぞっ!!」
「・・・は、はい・・・」
「あっ、できれば禿げている所を避けて、毛がある所を噛んでくだしあ。その方が痛みが少ないし・・・」
「わっ、わかりましたっ!」
おっほーーっ!
オドちんは、ガップリとボクのおケツへと噛み付いた。
さぁて、どう料理してくれようかっ!
ボクは、力の種でみなぎるこのパワーを活かし、クシャクシャに対してどのような奇策を挑むか、軍師のごとく思考をフル回転させた。
ボクらの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。