それいけ!ファンゴ君 シーズン4 (16)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、二匹旅をしている。
ゲネりんの猛攻でガラガラを撃退した後、なぜか謎の病が完治したゲネりんと共に、ボク達は次のエリアを目指した。
おっ!お魚ちゃんっ!
行く手を阻む高い崖の手前で、数匹の色々な魚が泳いでいる場所を発見した。
「魚食いたいのか?捕ってやろうか?」
「いや、ボクは生魚はちょっと・・・ってか、見てるとなんだか落ち着くよね?癒されるというか・・・いわゆるアクアリウム効果ってヤツだよね?」
「そうか、ま、無駄な殺生をすると生態系が崩れるしな、これ常識」
しばらくの間、ボクらは悠々と泳いでいる魚達を眺めていた。
ドサッ!
ふいに背後から何かが降り立ったような音が聞こえた。
振り返ると、そこにはシャカシャカに良く似た黒っぽいモンスターが、ギシャーっと鋭い牙を露わにしていた。
「まずいっ!ティガレックス亜種だ!!」
亜種?
どうりで・・・シャカシャカ2号かっ!
「アイツは非常にマズイ!ここは逃げるのが常識だ!!」
「えーっ?さっきのハイパー破壊神タイムになれば、コテンパンにできるんじゃまいか?(ホジホジー」
「いや、今はあんな状態になれる感じは全くしないんだ」
なんだとおぉっ?!
それじゃぁ、本気でマズイ状況じゃまいかっ!
そうこうしている内にシャカ2は、まさにシャカシャカとこちらに向かって突進してきた。
ボクらは間一髪、ヤツの突進を交わしたが、アイツは確か・・・そう、とてもしつこく追いかけまわしてくるタイプだ。
かと言って、ここには隠れられそうな場所はどこにも無い。
も・・・もちつけ、ボクっ!
「ここは、二手に分かれて隣りのエリアで落ち合おう」
「おk。・・・って、ボクはどっちに行けば?」
「君は、一度さっきの場所まで戻って、右側沿いに次のエリアを目指してくれるかい?僕は別の方角からそのエリアに向かうからさっ!」
「らじゃあっ!」
ゲネりん、無事に逃げ切れるかな?
足の早さならボクの方が早いけど・・・って、おいっ?!
ゲネりんは、すぐそこにある隣りのエリアに通じる場所へと姿を消した。
近っ!!
ボクが目指すこのエリアを抜ける場所まで、あの3倍の距離はあるぞっ?
くっそ、ゲネりんめっ!
ハメおったな?!
この湧きたつ憤りをスピードに乗せ、ボクは超三倍速走行モードで、悔し涙と鼻汁を辺りへ巻き散らしながら、湿地帯を駆け抜けた。
二匹それぞれ違う方向へ走って行くのを、シャカ2はどちらを追い掛けるべきか少しの間、迷った。
この僅かの時間が、後にシャカ2にとっての誤算となった。
シャカ2はボクよりも足の遅そうなゲネりんへ狙いを定めるも、ひょろっとしてマズそうな肉食ゲネりんよりも、プリプリとした美味しそうな後ろ姿の草食であるボクへと狙いを定め直し、ボクを目掛けてシャシャカ突進をしてきた。
ボクらの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。