それいけ!ファンゴ君 シーズン4 (18)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、二匹旅をしている。
ゲネりんの危険アンテナの受信度が高まる中、ボクらはそっと隣りのエリアへと潜り込んだ。
そこは、木の太い枝から例の蔦のアミアミフロアへと繋がっていた。
もうあのアミアミの上は、何があっても歩かないぞっ!
「あっ!やっぱりアイツだっ!」
アミアミの下には、真っ黒で、退化しているのか目が無く、黒い鱗粉をまき散らしている、おどろおどろしいモンスターがいた!
なんだっ、アイツっ?
宇宙モンスターかっ?!
「アイツはゴア・マガラさ!僕はアイツに出会ってから、すこぶる体調が不安定になったんだ!きっとアイツが変な物をまき散らしてるんだ!」
ゴ・・・ゴ・・・ゴマ・・・ちゃん?
なんともその姿には似合わないカワイイ名前だこと。
「アイツは目が見えないんだ、ま、目が無いからそんな事は常識なんだけど。でも、何かの方法で相手の居場所を察知してるから、侮らない方がいいよ!」
「ガッテン、承知の助っ!!」
今までにもそんなモンスターがいたから、今更ボクは驚かないけどね。
ボクらが近付く前に、黒ゴマちゃんはボクらの気配を感じ取ったらしく、翼を広げて威嚇をしてきた。
「たぶんだけど・・・あの巻き散らかしている黒い鱗粉は、吸わない方がいいと思うんだ!常識的にみても、あの色は悪い予感がする」
い、息を止めながら戦うんでつか?
ボクの肺活量・・・持つかな?
「僕が網の上でおびき寄せるから、ヤツが上がってきたら君もすぐに来てくれっ!」
え?
いや、その・・・アミアミの上はちょっと・・・。
って、おいっ?!
ゲネりんは、素早く枝をつたってアミアミの上へと登って行った。
マジすかーっ?
枝の上ならまだ足場も安定してるから、どうにかうまいこと枝の方におびき寄せてくれたら、枝の上からツンツン攻撃できるんだけどなぁ。
ボクは仕方なく、アミアミへと繋がる枝の上に登ろうとしたその時、華麗なジャンピングを披露しながら黒ゴマちゃんがボクのすぐそばにやって来た。
その着地の衝撃で、枝がゆっさゆっさと揺れる。
あわわっ!
はっ!しまった!!
ボクは、止めていた息を吐き出すと、自然と呼吸するようにその場の空気を吸い込んでしまった。
モアァ~~。
辺り一面には黒い鱗粉で出来た霧のようなものがたちこめている。
ふぐっ・・・ひく・・・ひくくっ・・・。
ボクの繊細な鼻腔がその鱗粉に攻撃されている。
ぶぅえっくしょーーいっ!!
激しいクシャミに襲われるとともに、体中に凄まじい悪寒と今まで感じた事のない違和感が走った。
「おいっ!まさかっ・・・あの鱗粉を吸い込んだのかっ?」
ゲネりんの声がすこぶる遠くに聞こえた。
なんだか、意識がちょっと朦朧としてきたかも・・・。
ボクらの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く・・・のかしら?