それいけ!ファンゴ君 シーズン4 (12)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、二匹旅をしている。
その後、平穏無事に地底洞窟を巡り、道中なんとか借金分のレア物を採集し終えた。
あれっ?
これまで採集したレア物って・・・もしかして借金分以上あるんじゃないのか?
相場が分からないからアレだけど、もしかしたらお釣りがたんまりくるんじゃないかな。
・・・って、ボクには無用の産物だけどww
「あのさ、それって全部合わせたらいくらぐらいになるんだい?」
「うーんと、ざっと見積もって2,500ゼニーぐらいでチュウかね」
おほーーっ、これはっ!!
確か、後払いは500ゼニーだったから・・・2,000ゼニーのお釣り!!
って、いったい、どれぐらいの価値があるんだろうか・・・。
キノコいっぱい買えるかな?www
ニヨニヨ・・・(想像中)・・・
「もしや、お釣りが出ると思ってるでチュウか?」
「えっ?」
「ゼニーでお支払いならお釣りは出るでチュウけど、物納だから別途精算手数料がかかるでチュウよ」
「・・・えっ??」
「これだけ精算しなくてはならないでチュウから、全部手数料で相殺されるでチュウ」
「・・・えっ?えっ?」
この場合、ボクは何と言えばよろしいか?
まったくもって、清々しいくらいのガメツさだな。
「ぐぬ・・・いいよ、いいよっ、全部、君の夢に投資する事にするよ」
なんて、太っ腹なボク!
「そうでチュウか?毎度あり~でチュウ(ニヨリ」
「これから君はどうするんでチュウか?」
「うん、ボクは旅を続けるさ」
「旅を続けてどうするんでチュウか?」
「ボクの目標は、究極のドスファンゴになる事さっ!」
「そのドス・・・ファンゴとやらになってどうするんでチュウか?」
・・・え?
ドスファンゴになったら?
・・・考えてもみなかったな。
もし、ドスファンゴになったら、ボクは・・・何をするのだろうか?
世界中のカワイコちゃんをハベらせて、至極のハーレムを作・・・
っておいっ!何を考えてるんだっ?!
しかしながら、子孫繁栄はこの世に生物として生まれたからには・・・
いやいや、そうじゃないっ!
今までお世話になった大型モンスター達にお礼参り?
いや、違うな。
最終的にボクが目指すのは・・・。
「ふっ・・・最終的な目標はまだ考えていないということでチュウね」
「・・・う、うん。ボクは、ドスファンゴになる事しか考えてなかったよ」
「オイラは、この一帯のクンチュウ達の生活改善と、老後の安心、福祉の充実などでクンチュウ達みんなが幸せになって欲しいと願ってるでチュウ。クンチュウギルドはまずその手始めでチュウ」
チュー助・・・君ってやつは・・・そこまで考えていたのかっ!
自分の事しか考えてなかったボクは恥ずかしいよっ。
「でも、みんなの生活を潤すには、まずはオイラ自身がみんな以上に潤ってないと、そんな余裕はできないでチュウ」
チュー助・・・君って・・・うぅっ。
「なので、まずはオイラがしこたま儲ける事だけを考えるでチュウよ」
・・・うん・・・うん?・・・何かが引っ掛かってるのは気のせいか?
「これから行く先々で、クンチュウギルドの宣伝をステマして欲しいでチュウ」
・・・なるほどね。
「君の助けが必要そうなモンスターがいたら、君の事言っといてやるよっ」
「ありがとうでチュウ!」
「じゃぁ、元気でな、チュー助っ!アディオスっ!!」
テッテレ~♪
クンチュウと別れた!
「あっ、宣伝手数料は10匹以上のモンスター紹介で、10匹ごとに10ゼニーお支払するでチュウよーーーっ!!」
そのショボい手数料は、チュー助らしさがにじみ出ていた。
ふっ、アイツはその内、確実にビッグになるな。
ボクはそう確信した。
ボクの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。