それいけ!ファンゴ君 シーズン4 (15)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、二匹旅をしている。
原因不明の病にかかっているハズのゲネりんが、果敢にも一匹でガラガラに特攻した。
マジか・・・。
目覚めるゲネりんっ!!
荒ぶるゲネりんの攻撃に、ガラガラは尻尾から鱗の塊のような物を辺りへ飛ばすと、尻尾をガラガラと振動させた。
うっっ?!
耳をつんざくような音波に、ボクは身動きが取れなかった。
それでも、ガラガラに対するゲネりんの攻撃は止まらない。
ガラガラはゲネりんを締め付けようとゲネりんを囲おうとしたが、隙間からその瞬発力でヒョイっと軽々しく抜け出たゲネりん。
尻尾で叩きつけるも、今のゲネりんのスピードには追い付かない。
意外や意外、ゲネりんの方がガラガラを押しているように見えた。
早く友達に言いたいですね、「ゲネりん、強いぞっ!」って。
よし、こうなったらボクも乗るしかない、このビッグウェーブに!!
ボクがゲネりんへ加勢しようとしたその瞬間、
「来るんじゃねぇ、短足豚野郎っっ!邪魔だっ!うらうらうらうらぁーーーっ!!」
ぶっ・・・豚・・・?・・・ブヒっ。
ボクは豚じゃないぞっ!
誰でつか?このモンスター・・・。
まるでモンスターが変わったような口調と、その凄まじい攻撃力。
ガクブルっ・・・。
今ボクは、正直ゲネりんの方が恐いでつ。。。
ゲネりんの猛攻により、ガラガラはタジタジとなって、地中へ潜るとどこかへ去って行った。
戦闘が終わってもしばらく殺気立っていたゲネりんは、木陰に隠れていたボクの所へやって来た。
こ、こっちに来ないでくだしあ・・・。
ドンっ!
ゲネりんは、大木に片手を付いて、上からボクを見下ろした。
こ・・・これが、噂に聞く大木ドン・・・か?
何このイケメン??
何故だか、間近で見上げたゲネりんの顔が、すこぶるイケメンに見えた。
はわぁ・・・こうなったら食われても・・・いい。
・・・いや、食われちゃダメだろっ!
何を考えているんだ?ボクは・・・。
「フーっ・・・」
長い溜め息を付いたゲネりんの顔色が、少しずつ元のゲネりんへと戻ってきた。
「あー、なんかスッキリしたなぁ、って・・・あれっ?なんかいつの間にか治ったみたいだ!」
その場で軽快にジャンプをしてみせたゲネりん。
「おっ!完全に治ったみたいだ!なんでだろう???」
なんででせう??
「よ、よかったね・・・でも・・・物凄い破壊力だった・・・ね?」
戦いっぷりもそうだけど・・・。
「うん、なんでか分からないけど、体の奥から戦闘本能が奮い立ったというか・・・自分の力を200%引き出せたというか・・・でも、今は全くもって穏やかな気持ちなんだ」
何はともあれ、元のゲネりんに戻ってくれてよかったよ。
「・・・ボ、ボクは・・・豚なんかじゃないぞっ(ぼそっ」
「えっ?何か言ったかい?」
「あっ、ううん、何でもないよっ・・・」
ボクらの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。