それいけ!ファンゴ君 シーズン4 (11)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、二匹旅をしている。
ウォール・チュー助のおかげで、間一髪、ネルス卿を撃退できたボクらは、ネルス卿の食糧倉庫を後にした。
「それにしても、あの時は凄かったね?君から後光が差して見えたよっ!」
「何の事でチュウか?」
コイツっ、記憶ぶっ飛んでのかよっww
「いやー、でもあの時、もし君がネルス卿に付いてたら、ボクはきっと今頃・・・」
ガクブルルっ・・・。
「その時はその時で、君の死肉をアルセルタスか誰かに売りつけるでチュウよ、自分で食べてもいいんでチュウけど、売っぱらった方が利益になるでチュウ」
コイツ・・・。
でも、ここで文句を言ったら負けかなって思った。
何はともあれ、ボクらの勝利には違い無い。
テクテクと歩くボクらの前に、緑色のデカい猿が姿を現した。
ん?
あれ、チャラ猿のパパの親戚かな?
「あぁ、ババコンガ亜種でチュウね」
あー、やっぱし?
どうりで、色違いだけどよく似てる。
「アイツは、とってもレアな厳選キノコでも、最後まできちんと食べないで、食い散らかしては残骸をその辺にポイっと捨てる不届者でチュウ!売ったらいくらになると思ってるんでチュウかね?」
いや、売るという発想は、君以外のモンスターには無いと思うよ。
緑のおさるは、クンクンと鼻をひくつかせると、地べたに落ちていたキノコを拾い食いした。
食事に満足したのか、辺りにゲッププレスを巻き散らかした。
青いゲップだ!
アイツ、何食ったんだっ?!
そして、すっくと立ち上がり、お腹をポンっと叩くと、素晴らしく香ばしい、大音量の放屁をした。
マジで害悪過ぎるぐらいお下劣なヤツだなww
こっちにまで匂いが移りそうだから、ここはスルーが基本。
ボクらが立ち去ろうとしたその時、ボクらに気が付いた緑のおさるは、こちらに向かってブンブンっと腕を交互に振り回し、勢い余ってズサーっと倒れ込んでしまった。
連続ラリアッター自爆乙!
「どうしまチュウか?戦闘しまチュウか?」
課金制なんだろ、どうせ・・・。
ここで余計な戦闘をしていたら、その内・・・きっとボクは枯渇する。
否、むしろ現時点で既に借金している事になっている!
「いや、ここは止めておこう」
「・・・そうでチュウか」
残念そうにするチュー助であったが、死ぬまでこの地底洞窟でレア物探しをするのは勘弁願いたい。
ボクらの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。