それいけ!ファンゴ君 シーズン4 (5)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、二匹旅をしている。
王子様がいると思われるエリアへとやってきたボクらは、数匹のケルビが戯れているのを発見した。
「なーんだぁー、ギャルばっかじゃぁーん」
そこにいたケルビ達は皆、雌ばかりだった。
と、そこへ一頭の雄ケルビがその姿を現した。
「あっ、王子様かもぉー!ちょっとファンゴ君、和気あいあい的に私とおしゃべりしてる姿をあの王子様へ見せつけるわよぉー!フレンドリィな感じでねぇー」
果たしてソレは意味のある事なのでせうか?
ボクは仕方なく、普段言わないギャグ話をしてケル嬢をケラケラと笑わせ、フレンドリィな感じをモンデミー賞主演男優賞さながらの演技力で演じてみせた。
すると、ボクらに気付いた雄ケルビがしばらくこちらを見ていたかと思うと、何故だか分からないが「ぷっ」と吹き出して笑った。
なんだアイツ?
ヤな感じのケルビだな。
笑われた事に気付いたケル嬢は、その怒りの矛先をボクへと向けた。
「ちょっとぉー!笑われちゃったじゃなぁーいっ!アンタのせーよぉっ!」
え?
元はケル嬢が言いだした無駄な小芝居のせいだろっ?
「もぉーっ!どーしてくれんのぉ?せっかく理想の王子様と巡り合えたのに、アンタのせいでぇー台無しじゃなぁーいっ!アンタが自分といればカジュアリストに見えるから、きっと王子様から声を掛けてくるだろぉーって言ったんでしょぉー?!責任取ってよぉー!せ・き・に・んっ!!」
むろん、ボクはそんな事は一言も言っていない。
冤罪も甚だしい限りだ。
ボクの怒りは有頂天に達した。
総統閣下もケル嬢にお怒りのようです。
「は?君はアレかっ?バカかっ?最初にボクを連れまわそうとしたのはソッチだろっ!ksgっ!そもそも君は特別にカワイイわけではないぞっ!その辺のケルビと同じくらいカワイイってだけだっ!それに、雄共から声をかけてもらえないだとっ?!それは、君がメン○ラオーラを辺り10km四方に飛ばしてるからだろっ!bkgっ!普通のケルビらしく振舞っていれば、普通にカワイイんだからアッチから声掛けてくるだろフツーっ!まずはそのバカっぽいしゃべり方を直せっ、全てはそれからだっ!あとなっ、そんなにモテたいんだったら、君が変わらないとこの先も今までと何にも変わらないぞっ!はいっ論破っ!!」
ふーっ、スッキリしたw
・・・あ、ちょっと言い過ぎたかな?
「・・・アンタってぇー・・・何にも考えてないようでぇー、私の事をそこまで真剣に考えてくれてのねぇー・・・」
そっちの方向から受け取ったかww
なんともめでたいオツムをしておるのぅ。
きっと、君のオツムの中は年中、お花がいっぱい咲いているんだろうなww
「私、頑張るねぇー・・・じゃなかった!頑張るねっ!!今までありがとっ!じゃぁねっ!!」
何はともあれ、改心してくれたケル嬢は軽やかケルビステッポでその場から立ち去って行った。
テッテレ~♪
ケルビと別れた!
(ふふっ、そっか、私ってやっぱりカワイイんだ♪もっと自信持とうっとー♪♪らんらん♪♪♪)
ケル嬢は、らんらんいい気分で鼻歌混じりにステッポを踏んでいた。
とりま、ケル嬢のおかげでこの遺跡平原もほぼ制覇したな。
それじゃ、次の未知なる地へと向かうとするかっ!
ボクの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。