それいけ!ファンゴ君 シーズン4 (1)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、一匹旅をしている。
大砂漠を船で揺られること数日が経ち、船はある港へと辿り着いた。
チャチャに別れを告げ、チャチャの子分であるハンターへペコリと一礼をしてボクは船を降りた。
未知なる大地への第一歩。
チャチャが言うには、この近くにバルバレという村があるから、その近くに向かって進むと良いとのことだった。
むろん、村には立ち寄らないが、村が近くにあるという事はその辺りは比較的安全な地域なんだろうな。
ボクは村の近くを目指して歩くことにした。
しばらく進むと、広大な草原が広がる森丘を広くしたようなところへとやってきた。
ところどころ傾斜があって気を付けて歩かないと、一度転んだらそのまま転がっていきそうな感じが・・・っと、
コテっ、ズサーーーーーーっ!コロコロコロコロ・・・・・。
言ってる傍から勢いよく転がり落ちていくボク。
平たんな場所まで転がってきてやっと止まることができた。
辺りを見ると、そこには懐かしいケルビ達の姿があった。
なんか、見たことあるモンスターがいると安心するなw
しかし、その内の一頭の様子が何かおかしい。
そのケルビは、頭を垂れてハーっとため息を付いていた。
近付いてみると、空を見上げたかと思うとすぐにうつむいてはため息を付く・・・を繰り返している。
何かあったのかな?
ボクは思い切って声をかけることにした。
「こんにちわっ」
「キャっ?!・・・なんだぁ・・・ファンゴ君かぁ・・・」
なんだとは失敬だな。
「ため息なんて付いて、何かあったのかい?」
「えっ?やだぁーっ、もしかしてずっと見てたのぉー?」
「いや、ただこっちに向かって歩いてきただけだからww」
「ふーん・・・ほら、私って可愛いじゃなぁーい?」
「・・・うん」
普通に他のケルビと同じくらいなww
「ほらね?可愛い過ぎてなんだか生きてるのが辛いって言うかさぁー」
・・・え?
「私って、そんなに声を掛けづらいオーラ出してるのかなぁー?」
・・・何が?
「私ね、あんまり雄のモンスターに声を掛けられないのよねぇー」
・・・つまり、どういうことだってばよ?
「いつかは、王子様が私の事を迎えに来てくれるとは思うんだけどぉー、あまりにも孤高の可愛らしさに、声を掛けづらいのかなってぇー」
君がそう思うんならそうなんだろう、君ん中ではな。
だがしかし、たぶん100%だろうけど・・・別の意味でお近づきになりたくないんじゃないのか?
「あっ、そうだ!ファンゴ君と一緒にいたら、プチ・カジュアリストな感じがして声を掛けやすくなるのかなぁー?」
プチ・・・なんだと??
「でも逆にぃ・・・ファンゴ君と一緒にいたら、変わり者だと思われるかなぁー・・・うーん、どっちがいいのかなぁー・・・」
どうしてボクといたら変わり者扱いなんだよっ?
っつーか、ボクと一緒に行くのか行かないのか、早く決めろよっ!
「とりま、5分やるから早く決めろっ!」
「うーん・・・うーん・・・」
・・・ちっちっち・・・5分経過でつ。
「時間だ、答えを聞こうっ!」
「ファンゴ君、どうせ暇なんだよねぇー?じゃぁー、ダメ元で私の引き立て役として、しばらく付き合ってよぉー!」
可愛い顔をして、まさに外道!
テッテレ~♪
ケルビが仲間になった!
ボクらの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。