それいけ!ファンゴ君 シーズン4 (2)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、二匹旅をしている。
ひょんな事からケル嬢を連れ立って旅をすることになってしまった。
どうみても、非戦闘員だろコイツww
ま、いざとなったらオトリの生肉として使えるかwww
我ながら極悪非道な扱いだが、これもまた正義の上での尊い犠牲というやつだ。
許せ、ケル嬢っ!
「そういえばぁー、ファンゴ君ってどこから来たのぉー?この遺跡平原にはファンゴはいないハズだけどぉー?」
「ボクは、密林から長いこと一匹旅をしてるんだっ」
「へぇー、密林・・・聞いたことあるかもぉー」
「もしかしてさぁー、その密林に私の素敵な王子様いなかったぁー?」
えーと・・・その発想はどこから出てくるのかしら?
「ねぇねぇー、私のこの歩き方ってぇーどぉ?」
ケル嬢は、普通のケルビらしい歩きをして見せた。
「それでいいんじゃないでしょうか」
「もぉーっ!ちゃんと見てよぉ!じゃぁ、次はこれぇー」
ケル嬢はコミカルにスキップするように歩いて見せた。
「前者のヤツでいいんじゃないでしょうか」
「そぉー?」
歩き方なんてどうでもいいだろっ。
そうこうしていると、ボクらは崖が見える場所へとやってきた。
何やら黄金色に輝く甲羅のようなモノを背負っているモンスターが数匹、地面を這っていたり、崖に張り付いていた。
「あぁ、あれクンチュウよぉー、突っつくと面白いわよぉー」
突っつくとどうなるんだ?
第二形態にでも変態するのか?
では、ちょいと失敬するよ?
ボクは一番近い場所にいたクンチュウに、鋭い牙で軽く突いてみた。
カキンっ!と堅い甲殻がはじく音が辺りに響き渡ると、クンチュウは瞬時に体を丸めて、真ん丸な姿になった!
やだっ、なにこれっ?!
素晴らしく面白いぞっ!!
真ん丸姿のクンチュウはコロコロと転がると、こちらに向かって突進してきた。
ボクはタイミングを見計らって、突進してきたクンチュウの目の前で小ジャンプをして、クンチュウの上に乗っかってやった。
まるで玉乗りをしているような気分だ。
ボクはスキル・玉乗りを習得した!
地面の突起による振動で、クン玉から振り落とされたが、これは実に面白い。
が、しばらくすると、クン玉は元の姿へと戻ってしまった。
ボクはまた玉乗りをしたくて、近くにいた別のクンチュウを軽く突いた。
「ちょっとぉー、いつまで遊んでるのよぉーっ!早く私の王子様を探しに行くわよぉー!」
「サーセン・・・あとワンチャンだけオナシャスっ!」
架空の王子様探しよりも、クン玉遊びの方が面白いに決まってるじゃまいかっ!
ボクの中では、このクン玉遊びは概ね好評だった。
そして、ボクはラスト玉乗りを堪能した。
ボクらの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。