それいけ!ファンゴ君G (37)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、一匹旅をしている。
ピンク大乱戦の結末を見る事ができなかったボクは、洞窟の反対側から出ることにした。
なんだかんだと過ごしている内に日が暮れて始めてきた。
あ・・・れ?
何か忘れてるような・・・。
あっ!!
ボクはスカーフの中から一枚のチケットを取り出した。
あーちゃんからもらったライブチケットだ。
日時日時・・・と・・・
くっそ!
今日の正午って書いてやがる!
もう夕方じゃまいかっ!!
あろうことか、ボクはあーちゃんのライブをすっぽかしてしまった。
あーちゃん・・・もう行っちゃったかな?
怒ってるかな?
嫌われちゃったかな?
残念ファンゴとか思われたかな?
うんっ、きっとまたどこかで会えるさっ!
その時に、今日の汚名を晴らせばいいっ!!
ボクってなんて前向きファンゴなんだろww
ボクは新たな希望を胸に、歩き出した。
そろそろこの渓流も制覇したところか。
あれ?
そういえば・・・いまだこの異国の地でドスファンゴ様に出会ってないけど、どこにいるんだろう???
あーちゃんがいたエリアの、可愛い女子達に聞きに行ってみよう!
うん、そうしよう!
ボクは、あーちゃんと再会したエリアへと向かった。
数日前と同様に、そこには可愛い女子達がいた。
「あのさ・・・ドスファンゴってどこに行けば会えるかな?」
ボクは、中でも一番可愛い雌ファンゴへ声を掛けた。
「え~っ?あなた知ってる?」
その雌ファンゴは、別の雌ファンゴへと聞いた。
「ううん、そういえば見た事無いわね~」
「ごめんなさい、私達、この辺じゃ一度も見た事がないわ~」
「そ、そっか・・・ありがトン・・・」
ボクは肩を落とした。
そういえば、孤島でも水没林でも凍土でもドスファンゴは見掛けなかった。
この渓流にもいないとなると・・・これで足取りが完全に消えたっ!
おかしい・・・おかしいぞっ?
なぜ、これだけファンゴがいるのにドスファンゴがいないっ?
これは・・・何かの陰謀かっ?!
いや、待てよ・・・もしや、ドスファンゴに成長するには、この地より更に過酷な地へと旅立ち、地獄の試練を乗り越えないとドスファンゴになれない掟があるとかっ?!
くっそ・・・。
そうか、そうなのかっ!
では受けてやろう、その地獄の試練とやらをっ!!
いったいボクはどれだけ強くなればいいのだろうか・・・。
ボクの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。