それいけ!ファンゴ君G (40)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、一匹旅をしている。
ボクはカヤンバからお面と衣装を借りると、チャチャとハンター2人と撃龍船へ乗り込んだ。
ハンター達はまだ気付いていない。
ボクがカヤンバでないことを・・・。
しかし、ハンターの一人が、四足歩行しているカヤンバに化けたボクをいぶかしげに見ていた。
「ブッブッ!カヤンバのヤツ、お腹の調子が悪いっチャ!」
チャチャがボクの前に立ちはだかった。
そして、チャチャの言い分に不思議と納得して立ち去るハンター。
「ブッブッブッ!バカな子分で助かったっチャ!」
船が出発し、ハンター達が大きな箱からごそごそと何やら色んな物を取り出すと、皆揃って甲板へと出た。
おぅっふ!
確かに、周りは大砂漠だっ!
砂の海を進んでいるぞっ、この船っ!!
すると、船の真横に突然、大きな大きな、とてもサイズ等計り知れない位大きなモンスターが砂中からブワーっと現れた。
Oh!
なんだコリはっ?!
「ジエン・モーランっチャ!オレチャマ達は、コイツをやっつけるっチャ!」
じ、ジ、ジエンド漏れ漏れ?
ハンター達は、船の後方に積んでいた大砲を手に取ると、モレモレにそれをぶっ放す作業をひたすら繰り返している。
アイルーのようなお面に換装したチャチャも、爆弾をモレモレに投げつけている。
が、ガンガレ、おまいら。
ボクには・・・残念ながら、手伝える事が何も無いようだ。
しばらくすると、モレモレは船体へ寄り添うようにピッタリとその巨体を寄せてきた。
ハンターの一人が、器用にモレモレへと飛び乗った。
残った一人は、近接しているモレモレの身体へ細身の剣を振り回している。
おしっ!これならば・・・。
ボクは、お面からはみ出している牙で、モレモレの身体を突いた。
2~3突きした頃、モレモレはその巨体を大きくよじると、巨体にくっついていた岩石をいくつも飛ばしてきた。
小さな岩石が直撃し、突風で煽られたボクは、お面とミノを身ぐるみ剥がされてしまい、その風に乗ってお面が反対側の砂の海へと落ちてしまった。
隣りで剣を振るっていたハンターが、ボクの露わな姿に一瞬驚愕したが、今はそれどころではないと言わんばかりにモレモレへの攻撃を続けた。
「おっ、お面gっ?!」
「いいっチャ!あれは残念なお面だから、どうせカヤンバもいらないお面っチャ!」
「し、しかしながら・・・この姿・・・どぼしよう・・・?」
「・・・こうなったら開き直るしかないっチャ!オマエの雄姿を子分達へ見せてやるっチャ!」
「お・・・おしっ!」
ボクは裸一貫で、この勇猛なる牙を使い、モレモレへの突き突き攻撃を続行した。
しばらくの攻防が続くと、船が一旦停止した。
遠く離れた場所からモレモレがこちらに向かって、ズシンズシンと緩やかに前進してくる。
ハンター達は、一斉にバリスタを撃ち始めた。
そして、モレモレが近くまで来た時、ハンター達は一斉にモレモレに向かって走っていき、モレモレを直接攻撃している。
「オレチャマ達も行くっチャ!」
チャチャとボクも、ハンター達に続いて走って行く。
ボクは、今まで鍛錬された精鋭なる猪突アタッコウと、突き突き攻撃でこの狩りに貢献した。
船がボロボロになる位に攻撃を食らった頃、ようやくこの巨体モレモレを討伐する事ができた。
まさか、ボクがハンター達と一緒に狩りをするなんて・・・。
思ってもいなかった展開と、この巨体モレモレをやっつけた事で、ボクは歓喜に満ち溢れていた。
すると、ハンター達がボクへと近寄って来た。
「あわわっ、あわわっ、ボクはどうすれば・・・」
しかし、ハンター達は、見事、狩りの支援をしたボクに感服している様子だった。
それに乗じてチャチャがハンター達へ言い放った。
「オマエ達!コイツの多大なる貢献に、謝礼として近くの大陸へ船を寄せるっチャ!」
ハンター達は、最初こそ驚いてはいたが、さすがのボクの貢献度を思い返すと、称賛に値するのは紛れもない事実。
ハンター達は、笑いながらボクを抱き上げると、迎えの別の船に乗せてくれた。
これでボクは、更に未知なる大陸へと足を踏み入れる事ができる!
ボクは、甲板で砂の風を浴びながら、まだ見ぬ大地へ胸熱の思いを隠せないでいた。
待ってろっ!今行くからな~っ!!
へっぶしっ!
ボクの繊細な鼻腔は、砂まみれだった。
ボクの飽くなき道の冒険譚は・・・まだまだ続く?