それいけ!ファンゴ君G (33)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、一匹旅をしている。
アルアルの脅威とザンネンキッズから逃れたボクは、気候穏やかな水辺の多い土地へとやってきた。
おっと、こんな所に我が愛しのキノコがっ!
(もぐもぐ)
こっ、これはっ?!
ボクは今まで食べたことの無いキノコの味わいに感激を覚えた。
「ソレ、ドスマツタケだよ~ん」
ん?(もぐもぐ)
振り返ると、そこには一羽のなんとも丸っこい体付きの鳥がいた。
「へー、ドスマツタケ・・・って言うんだ(もぐ」
「アタシ、ガーグァだよ~ん」
ガー子か。
「ボクは・・・(もぐ」
「ファンゴだよ~ん、知ってるよ~ん」
この辺りにもボクのお仲間がいるのか。
「あっちに、女子ファンゴがいっぱいいるよ~ん」
「なにっ・・・?!(ごほごほ」
水没林では、ボクのお眼鏡に適う女の子はいなかったが、ここではどうだろうか?
そんな淡い期待に胸を膨らませていると、ガー子が言った。
「アタシ、今、超ヒマしてるから案内してあげてもいいよ~ん」
これは願ってもない申し出。
ボクはガー子に女子ファンゴがいるという場所へ案内してもらう事にした。
テッテレー♪
ガーグァが仲間になった!
「こっちだよ~ん」
トテトテ・・・。
小走りに走り出したガー子は、小石につまづいたのか見事にブっ転んだ。
「いたたっ。ドンマイ、ドンマイだよ~ん」
それを自分で言うのか?
ドンマイガー子!
その場を抜けると、だだっ広いエリアへと出た。
今にも潰れそうな廃屋らしき小屋があり、ぶっとい丸太が転がっている。
そしてそこには、数匹の雌ファンゴがいた。
Ohっ、いるいる♪
Ohっ!なかなかどうして皆、カワイイおにゃのこじゃまいかっ!
「ちょっと適当に話掛けてくるよ~ん」
「おいっ!ちょっと待てっ!!紳士たる者、むやみに話掛けたりはしないものだっ!」
ブレスワインを飲む時は、まず香りを楽しむように、まずは目の保養を養ってからだ。
ボクは、雌ファンゴ達をニヨニヨしながら眺めた。
・・・あれ?
雌ファンゴ達の中に、どことなく見知ったようなファンゴがいた。
あのプリケツ具合は・・・はっ!・・・もしやっ?!
紛れもない、ボクの育った密林で、美尻アイドルファンゴ三匹娘として活動していたパファームのあーちゃんと完全に一致ww
ボクは、あーちゃんへ話掛けようかどうしようかとモゾモゾしていると、なんと!あーちゃんの方から声を掛けられてしまった!
「あらっ?アナタ・・・えーと、いつも地元のライブの時に最前列で応援してくれてたファンゴよね?」
「はっ、はいっ!」
「奇遇ね、こんな所で会うなんて」
なんてマジカルな展開っ!
しかも、ボクの事を覚えてくれてたなんてっ!!
「あっ、あのう・・・あーちゃんはどうしてこんな所に?」
「今ね、ツアー中なの。今日はオフ日だから散歩がてら名産のドスマツタケでも食べようかなって♪」
「ぼっ、ボク、一緒に探してあげるよっ!」
「ホント?優しいのね♪」
ボクは、もうこのままタヒんでもいいっ!我が猪生悔い無しっ!
「あっれ~?ヒューヒューだよ~ん」
たはっ・・・コイツの存在を忘れてたw
ボクらは、お邪魔虫を引き連れながら、ドスマツタケを探し当てると仲良く頬張った。
お腹一杯に食べた頃、あーちゃんは帰り支度をした。
「ごめんなさい、明日早いから今日はこれで帰るわ。今日はありがとう♪」
そっ、そうか・・・早く寝ないと美ケツに悪いもんな。
「うっ、うんっ!こっちこそありがトンっ!!あっ・・・ありがとうっ!」
し、しまった・・・つい口癖gっ!
「それじゃあ♪あっ・・・よかったら、こっちでのライブも見に来てね♪」
そう言うと、あーちゃんはライブチケットをボクにくれた。
「うっ、うんっ!行くよ!飛竜に追い掛けられても絶対に行くよっ!!」
「(くすっ)会場には飛竜を連れて来ないでね♪」
あーちゃんは、ボクらに見送られながら帰って行った。
ボクはもらったチケットを無くさないよう、スカーフの中へとしまい込んだ。
ボクは、ただのファンで終わる男ではなかった!
帰ったら、皆に自慢できるぞww
異国の土地で、まさかのあーちゃんとキノコデートが出来たボクは、その余韻をいつまでも噛みしめていた。
「次はドコに行こっかだよ~ん」
あぁ・・・ガー子・・・ね。
ボクらの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。