それいけ!ファンゴ君G (34)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、二匹旅をしている。
アイドルであるあーちゃんとの再会の余韻をガー子にぶち壊されたボクは、ガー子を引き連れながら所々に木々が生える中央エリアへとやって来た。
真ん中に生えている木の下で、青い熊がペタンと座って、なにやらハチミツを頬張っている。
あれっ?青プーさん?
いつの間にこんな所に・・・。
ボクは青プーさんへ声を掛けた。
「青プー!久しぶりだなっ!」
「あ゛?誰だお前?」
あ・・れ・・・熊違い・・・でした?
「ごめんなさい、間違えましたっ!」
なんてこったい、ボクとした事がっ。
穏やかな顔付きの青プーさんと、こんな強面の青熊を見間違えるなんて・・・たるんでるな、ボクww
事なきを得ず、その場を立ち去ろうとしたその時、空から黒い影が舞い降りて来た。
長い真っ直ぐな尻尾、真っ黒いシュっとした細身の体、目から耳にかけて赤いラインが際立つ飛竜だった。
黒猫か・・・。
いつぞやの凍土では、白猫に遭遇したが・・・お次は赤猫か?
ボクらの存在に気が付いた黒猫は尻尾を高く上げ、ヒュンヒュンと音を立てて尻尾を振り回すと、ボクらの方へ棘を飛ばしてきやがった。
ボクは瞬時に華麗ステッポで、その棘を回避した。
目の前の地面へ突き刺さった棘を見て驚いてしまったガー子は、なんと!その場で卵を産み落とした。
なっ、何やってんだガー子?!
こんな状況で雛でも育てようってのかっ?
「おいっ!ガー子っ!ここは一旦、アイツとの距離を置くぞっ!」
「はわわっ、置いてかないでだよ~ん」
ボクが後方へ走り出すと、ガー子もトテトテと危なっかしい足取りで追い掛けて来た。
黒猫は、一直線にボクらに向かってダッシュして来る!
が、その途中、卵を見付けた黒猫は、その卵を前脚でチョイチョイっと転がすと、転がる卵を追い掛けてどこかへと行ってしまった。
たはっw
やっぱ、猫だなww
っていうか、結果オーライ的にガー子、グッジョブwww
そろそろ日が暮れてきたようだ。
ボクらは、ガー子が案内した隠れ家で夜を明かすことにした。
ボクらの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。