それいけ!ファンゴ君G (28)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、二匹旅をしている。
ウロ氏の壮絶な過去の話を聞いてしまったボクは、気の進まない敵討ちにどうしたものかと思い悩んでいた。
まずはそのブラ男とやらをこの目で見てみない事には、話が進まない。
ボクはウロ氏と、ブラ男探しに出掛けた。
中央付近の緩いカーブのようなエリアに出た。
両サイドには高い岩壁が連なっている。
ちょうど中間辺りを歩いている時、突然岩壁の上の方からゴロゴロと巨大な岩石が転がってきた。
岩石は、そのエリア内を大きく一回り転がり続けたかと思うと、ボクらの目の前で止まり、その正体を現した。
岩石だと思っていたら、背中にスパイクのような太い棘があり、巨大なアゴを持った金属の塊のようなモンスターだった。
ビバ!ボンバイエっ!
「なんだっコイツっ?!」
「・・・・・・ウラガンキン・・・だ」
ミスター岩盤浴か。
ヤツの上で寝てたら、こんがりと芯から温まりそうだ。
ボクらに気が付いたミスターは、くるりとその場で半回転すると、ぶっとい尻尾から火薬岩をぶちまけてきた。
ボクは華麗ステッポでそれを回避し、ウロ氏は地中へと潜りそれを回避した。
「ブラ男の前に、まずはアイツをやっつけないと!それが出来ないんじゃ、ブラ男討伐なんて微レ在だぞっ?!」
「・・・・・・無理だ」
ホワッツ?
今何と??
「・・・・・・今の俺には・・・アイツを葬り去る術が・・・無い」
何このヘタレ?
こんなんでよくもまあ、いざブラ男討伐へ!!なんてどの口がほざくんだっ!
ったく、まるっきしのボク頼みじゃまいかっ?!
糞gっ!!
ボクは、ミスターを観察した。
あの重そうな巨体を支える脚は・・・ぶっといな。
となると、いつもの作戦は・・・正に当たってボクが砕ける最悪のシナリオか。
ミスターにビビリながら、地中へ下半身を隠したままのウロ氏を横目に、ボクは何か良い作戦がないか脳内フル回転で熟考した。
ボクらの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。