それいけ!ファンゴ君G (22)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、二匹旅をしている。
大佐の襲撃を回避したボクらは引き続き、ギギ坊のママ探しを再開することにした。
洞窟の小さな穴から出た所は、高台の手前に細い道があり、その先がどこかへと繋がっているようだった。
ボクらはその細い道を道なりに歩き始めようとした。
すると、高台の上に何かの気配を感じたボクは、高台の方へと視線を向けた。
うわっ!
なんだ、アイツっ?!
全身白っぽく、オレンジ色の長い牙を持つ、猫目のモンスターがいつの間にかそこにいた。
「おいっ!俺様はアイツの汁を吸ってみたいっ!!」
失礼ながら、ギギ坊様は・・・正真正銘のバカでございますか?
「何を言ってるんだっ!汁を吸う前に、アイツに食われてしまうぞっ?!」
「何っ?けしからんっ!それじゃぁ、アイツを捕獲せよっ!!」
ダメだコイツ・・・。
運良く、白猫にはまだ気付かれていない。
ここは、そっと忍び足で静かに通り過ぎるしかない。
ボクは静かに、一歩一歩ゆっくりと歩みを進めた。
しかし、雪面ならまだしも所々が氷になっていて、注意して歩かないと滑って転んでしまいそうだった。
気を付けて歩いていたつもりが、次のエリアまであと少しというところで、気張り過ぎたせいかツルっと滑って転んでしまった。
ドテっ!
物音に気が付いた白猫は瞬時にこちらを向き、ボクらを認識してしまった。
白猫は、高台の縁まで走ってくるとその翼を広げ、その場からムササビのように滑空し、滑ることなくスタっとボクらのすぐ背後に降り立った。
あわわ、あわわっ!
すると、これから攻撃を仕掛けるぞと言わんばかりに声高らかに咆哮をした。
その隙に、ボクは転んでいた体制をすぐさま立て直し、次のエリアへの入口へと急いだ。
ふーっ、またもや危なかった・・・。
いつも思うんだけど・・・、攻撃前に咆哮して相手に隙を与えるよりも、すぐに無言で飛び掛かった方が狩りの成功率が上がると思うんだけど、その辺ってアイツらはどう考えているんだろうか?
ま、別にいっかw
そして、背中からの下賤なお小言を聞き流しながら、ボクらはママ探しを再開した。
ボクらの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く。