それいけ!ファンゴ君G (10)

ボクは、究極のドスファンゴになる事を夢見て、二匹旅をしている。
ランランのヨダレを落とすべく、十分に砂浴びをしたボクは、改めて砂原の広さを実感した。
あっちの砂漠も広かったけど、こっちの砂原も広いんだな。
すると、砂の中を自由に泳ぐ魚の大群を発見した。
あっちの砂の魚はやけにデカかったけど、こっちの魚は小っちゃいのがいっぱいいるんだな。
よく見ると、この広い砂原のあちこちに、小さな砂山がいくつか点在している。
充分に砂浴びしたボクではあったが、そんな砂山を見ると、ついついその砂山にダイブしてみたくなった。
とーーぅっ!
・・・ゴツンっ!!
近くの砂山へダイブしたボクは、砂とは違う感触に、何かそこにいるとボクの第7感が警告をした。
ズボっズボボボっ!!
なんと!砂の中から、あっちの砂漠にいた砂魚を凌駕する程の大きさの何かが出てきた。
なんだっ、コイツっ?!
薄紫色の、大きすぎる巨体の頭半分が口でできているような、これまた爬虫類のような両生類のような姿だった。
あっちにも口オバケがいたけど、こっちの口オバケはもはやトラウマレベルじゃないかっ?!
正真正銘のビッグマウスだっ!!
「おいっ!ハプルボッカは、シュールに何でも飲み込むヤツだから気を付けろっ!!」
「もっ、もし飲み込まれたらどうすれば・・・?」
「うーん、ハプルボッカよりも大きくなってあの身体を破って出てくるしか・・・」
え・・・それ、なんて進撃のファンゴ?
寝言は寝てから言えっ、ksgっ!
と言ってる間に、ビッグマウスはその大口を開けながら、ボクら目掛けて砂上を物凄いスピードで泳いできた。
ボクはピューっと吹くファンゴの如く、一目散に逃げた。
しかし、遅れをとったリノッチがビッグマウスに狙われている。
あのバカっ、まっすぐ走ってどうすんだっ?!
横に逃げろっ!
あぁ、間に合わないっ!!
ボクは咄嗟に、横からリノッチめがけてスーパーダッシュし、リノッチに体当たりした。
間一髪、ボクの超絶タッコウで吹き飛んだリノッチは、ビッグマウスの餌食から逃れることができた。
「おいっ・・・お前っ?!」
「ふっ、アディオスっ!(涙目」
ボクは敬礼ポーズをしたままビッグマウスの大口へと吸い込まれ、ビッグマウスは静かにその大口を閉じた。
ボクらの飽くなき道の冒険譚はまだまだ続く・・・?